緋弾のアリア最高の相棒 ―THE BEST PARTNER―

□第4弾
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別動隊の理子がさり、オレ達は2階に自分達を部屋をあてがわれた。


「すみませんねぇ。この館の伝統といいますかルールで、ハウスキーパーさんは男女共に制服を着ることになってるんです。むかし、仕立てられた制服がそれぞれの部屋にあってサイズもいろいろありますから、選んで着てくださいね。仕事については前のハウスキーパーさん達が簡単な資料を台所に置いておきましたから……それを読んで適当にやっちゃってください」

あは、と好感度の高そうな笑顔で小鳴が言った。


「で、申し訳ないのですが私は研究で多忙でして……地下の研究室にこもり気味の生活をしてるんです。ですから、みなさんと遊んだりする時間はあまり取れないんです。ほんと、すみませんねぇ」

別にそこまで謝らなくてもな……自分の家なんだから


「ヒマな時はそうですねぇー……あ、そこの遊戯室にビリヤード台があるんですよ。それで遊んでていいですよ。誰も使ってないからラシャもほとんど新品なんです。それじゃあ早速ですが、失礼します。夕食の時間になったら教えてくださいね」

そう言いながら彼は地下の研究室にとじ込もってしまった。


「そんじゃま、働くか」


「そ、そうね」


「はい、行きましょう」

念のため女の言葉で桂木 翠になりきってオレ達はそれぞれの自室に入る。

クローゼットを開くと執事服とメイド服が並んでる。
とりあえず、いっぱいある中から古めかしいデザインの露出が少ないメイド服を取り出す。
胸が強調されたの着たらばれるからな。
胸はCカップだがこいつは、C研の秘密兵器、シリコンで出来た胸だ。
さわり心地も本物に似てるらしいが試してはみたがまず、本物を触ったことが無いからよく分からん。
素早く着替えて外に出るがキンジもアリアもまだか……


「アリアさん、着替えましたか?」

コンコンとノックしてからドアを開いた瞬間、くるくる回っていたアリアと目が合う。
赤面モードを発動させて


「あら、可愛いですわね」

女性モードのままでオレは言う。いや、アリアお前、それは反則的だろう……

まず、レースとフリルを重ねたカチューシャは、手前がフリルで奥がレース。二段構造になった豪華なもの。

黒いワンピースの胸元はオレのと違いざっくり開かれており、そこには何段重ねにもなった純白のフリルが露出している。あれはブラウスの代わりにフリルだけでできたチューブトップを着ているんだろうな。

さらに、エプロン。アリアの細い腰からミニスカートの前面上部までは白いカクテルエプロンで短く覆われている。対照的にバックの帯は長く、オシリの上で大きく蝶々結びされている。いいコントラストだ。

短いスカートをもって中からふわっと広げる4段、いや5段階層の白いペチコート。幾重にも重なった布のひだひだをカーネーションのように咲かせている。

ストレートでありながらおぼろげに女の子っぽい曲線を感じさせるアリアの脚の付け根を演出するのは、ドロワーズ先のペチコートとの合わせ技により、スカート内の布量は完全にメーターを振り切り爆発寸前だ。

素材は質の高いベルベット、シルク、そして明らかに職人作りの精緻なレース布で作られていた。

長らく語ったがアリアの容姿と合わせて殺人的に可愛いのだ。

だが、その顔は真っ赤でずんずんと怒りの表情で向かってくる。


「ま、待ってアリア。これは素直に……あぅ」「あ、いや、呼んでも反応が無かったかおうっ」

いつの間にか来ていたキンジとオレを飛び蹴りで沈める。
床に倒れたオレ達をアリアは手を腰に当てて


「で?ご用件は何ですかご主人さま?」

な、なんで怒るんだ?可愛いって言っただけなのに……なぜだ……
怒りが頂点に達したのか震える声は冷静だ。


「お、落ち着きましょうアリアさん!話し合いましょう」


「そ、そうだアリア!し、翠の言う通りだ!」


オレとキンジは必死に命乞いをするがアリアはにこりと微笑んで


「次、のぞいたら―脳天風穴地獄!」

ダンとアリアは飛び上がるとひじをオレとキンジの腹に叩き落とした。
ぐふ……また……気絶かよ……

意識を失い30分後に思ったのは迂闊に女の子にかわいいというのはまずいのかもしれないという教訓だった。


ちなみにオレが着ているのはあっちこっちのみいこ姉が着ているようなやつだ!





さて、時刻は夜22時だ。

散々な1日だったが仕事は大体覚えた。
というか3人も実際はいらないのでいろいろと地下室以外を見回らせてもらった。

バラの垣の庭を歩きながら屋敷を見回す。
本当に化物でも出てきそうだな……
遠くから犬の遠吠えが聞こえてきた。
そろそろ戻るか……
屋敷に足を向けたその時


「……………」

オレは振り返った。
何か得体の知れない視線を感じた気がしたのだ。

スカートの中のレイジングブルに意識を向けながら視線を感じた方を見る。


「誰かいるんですか?」

返事はない。
気のせいか?
警戒しつつも屋敷の自分の部屋に向かう。
部屋が見えた時、丁度アリアの部屋が開いた。


「あ、翠出かけてたの?」

もうすぐ寝るためかメイド服を脱ぎ、ネグリジェ姿のアリアだった。


「ええ、探検してたの」
 
にこりと女性スマイルを浮かべる。
アリアはため息をつきながら


「本当にあんたそうしてると女の子にしか見えないわね」


「アリアさん」

オレはにこりと微笑む


「な、何よ」


「うふふ、ありがと……」


「そ、それよりそのむ、む……胸なんだけどどうなってるの?」


「これ?」

なんかたまらなくなってきたので


「アリアさん、部屋に入りましょう」

中で説明しようかな


「し、深夜の部屋におと……あ、あんたを入れられるわけないでしょ!」

なぜか顔を赤くしたアリアが言う。


「じゃあ、私の部屋にくる?」


「お、同じことよ!、あたしはもう寝るわ」

そういいながらアリアは自室に戻ってしまう。

なんなんだ?
まあ、いいか。
部屋に戻ったオレはベッドに横になると目を閉じるのだった。

……ああ、眠い



それから数日、以外に執事の才能があったらしいキンジやアリア達と小鳴先生に新聞を届けたり、電話番したり門番したりしながら屋敷のことを調べていった。
どちらかと言えばインケスタやレザドの得意分野なんだろうがキンジがインケスタで助かったな。





そうして、7日目の21時30分コンコンというノックの音に、オレはベッドから体を起こしてから


「はい?アリアさん、キンジさん?」

「……………」

しかし、部屋の外の気配は返事をしない。
机の上においてあるデザートイーグルを掴むとドアに慎重に近づくと一気にドアを開け放った。


「あら?」

誰もいない。
廊下を見渡すが誰も……いや……


「まさかね……」

一瞬、見えた銀髪が廊下を曲がるのを捉えていたオレはそちらに向かい走り出した。
あの子がこんなとこにいるわけがねぇそう思いながら走るが銀髪の人物はおちょくるようにオレが直線で目視できる場所にくるたびに廊下の角を曲がる。
なびかせる銀髪だけを残して……
まさか、ジルちゃん?
正直、確証はない。


「!?」
 
はっとして、足を止める。
目の前でぱたんと閉じた木の扉。
逃げ込んだならここしかない。
この通路の扉はあそこだけだからな。

アリア達を呼ぶか一瞬迷うが、悠長に待つことがオレにはできなかった。
ジャンヌの進言に従いデザートイーグルに銀弾を込めてからドアをゆっくり開き中の様子を伺う。
ジルちゃんは……いた。
いつもの黒いゴシックロリータの黒いドレスを着て窓ガラスに頭ををつけて座っている。
見た目だけならお人形を思わせるその容姿はアリアやレキ、理子といったいわゆる美人とはまた、違う美しさを兼ねていた。


「な、何でここにあなたがいるの……」

ジルちゃんは憂鬱そうな顔を窓から離してオレを見るとにこりと微笑む


「こんばんわ、シュウ兄」


「あら、よくのこのこ出てきて来れましたね。、ジルちゃん、イ・ウーの関係者でしたね。ブラドならいませんわよ」


デザートイーグルを向けながらオレは言った。


「彼に用はないよ、シュウ兄」


「そうなの?」


「クッキーを作ってきたの、シュウ兄食べてくれる?」

そういうとジルちゃんはバスケットを取り出し床に置いた。

ドオオオン

運がいいのか悪いのか雷が鳴ると同時にバスケットがデザートイーグルの弾丸で貫かれた。
中にあったクッキーが飛び散る。


「酷いよシュウ兄」

ジルちゃんは人差し指を唇に当てる。
たったそれだけなのに妖艶な姿に見える。
だが、オレの心は痛まない………ウソ、やっぱ心が痛む……ゴメンねジルちゃん!


「ふ、ふざけないでください、」

何でここに現れたのか全く分からない……確かに昔、イ・ウーにいたときジルちゃんの記憶は……消してないけど……べ、別に可愛くてジルちゃんとの思い出を消したくないって思ってなんかいないんだからね!


「頭に両手を乗せてうつ伏せになって」


「シュウ兄はそんな体制が好みなの?」

にこりとジルちゃんは微笑む。
すでに、オレの体は変な汗びっしょりだった。
底知れない化物。
それがこの子だ。
準備は万端ではない。
やり合って勝てるのか?

そう考えていた時、ジルちゃんの姿が消えていた。
ダイヤモンドダストのように部屋が白く靄がかかっている。
しまったこいつは氷の幻覚、しかもジャンヌよりも数段強力だ。

「シュウ兄」


「うっ!」

優しい聖母のような声は後ろからふわりとオレの背中からジルちゃんは両腕を首に巻き付けてきた。
締め付けるのではなく優しく母が子供を抱きしめるように部屋にある鏡越しにオレ達は目が合った青い瞳のジルちゃんはクスクス笑いながら


「つかまえたよ」

なんて失態だ。
ジルちゃん相手にろくに準備もせずアリア達に援軍要請しなかったオレの致命的なミス。
殺される。
この子がその気になればオレを凍死させるなど赤子の手を捻るより容易いだろう。


「……………」

打開策を探る中でジルちゃんは微笑みながら


「シュウ兄ブラドと戦うんでの?」

ここは会話で時間を稼ぐしか……


「そうですよ」


「そう?じゃあ、いいこと教えてあげる」


「ひゃ!」

ぞくりと背筋が凍るような感触。
ジルちゃんがオレの首筋をなめたのだ。
ドオオオオン

再び雷がなった瞬間オレは渾身の力でジルちゃんを背負い投げる。
だが、ジルちゃんはふわりと地面に着地するとまるでオレの首の味を楽しむように人差し指で自分の舌を舐めてから。


「シュウ兄、死なないでね」

窓が開け放たれて雨が振り込んでくる。


「ま、待って!」
 
雷と同時にデザートイーグルをフルオートで撃つがジルちゃんは蒼い氷に包まれながら窓から落ちていった。
窓に駆け寄って辺りを見るがジルちゃんの姿はなかった。
逃げたか……多分、追っても無駄なので窓を閉めて廊下に出た時、着信があった。


「あら?アリアさん?」

ディスプレイに表情されたアリアの文字を見ながら通話ボタンを押す


「はい」

なるべく平静を装ってオレは電話に出た。


「翠、あんたも来きなさい!アプリで遊ぶわよ!遊戯室であたしもキンジも待ってるわ!」

アプリで遊ぶは以前に決めた暗号で理子との連絡を意味する。
だがあれ深夜2時からだぞ


「まだ、早くないかしら?」

シャワー浴びたいしな
ドオオオオン

再び雷が落ちた音。
近いな


「ひゃああ!」

ああ、そういや……アリア


「い、いいからすぐ来ること!あたしが来いといったらすぐ来るっ!来なきゃ風穴」


「分かりました。今から行きます」

いいこと教えてあげるよ。
これだけでは分からない。
ジルちゃんは何が言いたかったんだ?
アリアの電話で気持は晴れたがその疑問だけは考えなければならないだろうな……

そんなことを考えながらオレは遊戯室を目指すのだった。










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