刀語 短編

□私が貴方を愛します
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「今回の任務はと…『自分達の娘を殺してくれ』ですか…残念ですね、残念ですね、残念ですねぇ。まぁ、私は人を殺す事ができればいいんですけど。あぁ!楽しみですね、楽しみですね、楽しみですねぇ!」
喰鮫は任務のターゲット(娘)の部屋に向かいながら、ブツブツと独り言を言っていた。
「ここですか…あぁ!楽しみですねぇ!思う存分殺しますか!楽しみですね、楽しみですねぇ!」
ガラッ←扉(障子)を開けた
「誰?」
その部屋には、銀色の髪を腰まで伸ばした美しい女がいた。
「私は真庭忍軍十二頭領が一人、真庭喰鮫と申すものです。以後よろしくお見知りおきを。」
「真庭…忍軍…あぁ。確か、暗殺専門の忍者集団…よね?はぁ…私はやっぱり殺されるのね。ふふ…」
「はい。私は貴方のお父様とお母様に依頼を受けて、ここにやってきました。」
「そうよね…ふふ…喰鮫さん…でしたっけ?私ね、昔からあの2人に暴力を振るわれているの。『お前は私たちの名を汚した!』『お前は失敗作だ!』『お前なんか産まなければよかった!』だって。私だって好きで生まれたわけじゃないのにね。私は誰にも愛されない運命だったのね…ふふ…」
女は一人で笑っていた。
喰鮫はずっと女を見ていて、なにも言わなかった。
「あら…ごめんなさい。長話をしてしまったわ…では、喰鮫さん。私を思う存分殺して下さい!」
女は両手を広げ、喰鮫の前に立った。
「…貴方は死ぬのが怖くないのですか?」
喰鮫は女に向かって質問した。
「死ぬのが怖い?そうね…そんなものはないわ。私は誰にも愛されないもの。ふふ…」
女は苦笑した。
「そうですか…貴方のお名前を教えて下さい。」
「私の名前…?私はひなよ。殺す人の名前を聞いて何になるのよ。ふふ…」
女は一人で笑っていた。
「いえ…特にありません。ではいきますよ?ひな。いいですね、いいですね?」
喰鮫は、体制を整えて攻撃準備へと入った。
「はい!私を思う存分殺して下さい!喰鮫さん!」
「…!?」
ひなは今まで笑っていたが、一筋の涙を流した。
「…?喰鮫さん…?」
喰鮫は、いつの間にかひなを抱きしめていた。
「…喰鮫さん「私は貴方を愛そうと思います。」え…?」
ひなは、どんどん涙を溢れさせていた。
「でも…!喰鮫さんは…私を…殺すために…ここにやってきたんじゃ…「そうですよ?貴方のお父様とお母様には『娘を殺して、死体の処理もよろしく』と言われました。だから、あなたを殺して埋めた事にすればいいのですよ。ひな。」
喰鮫は笑いながら、ひなを抱きしめる腕をより一層強くした。
「殺した事にする…ひっく…う…わぁあぁああぁぁあぁあん!く…喰鮫…しゃぁぁあぁん!」
「ふふふ…やっぱり死ぬのは怖いですよね?大丈夫ですよ。これからは、私が貴方を守りますから。そして、愛します。いいですね、いいですね、いいですね?貴方は私に愛される運命なのですよ……という事で真庭の里へ行きましょう?」
「ひっく…う、ん…!…ひっく…」
喰鮫は、優しくひなの頭を撫でた。
「貴方は笑っている方が美しいですよ?いいですね?泣いてはいけませんよ?」
喰鮫は、笑いながらひなが流す涙を指で拭いた。
「は、い…!喰、鮫さん…!ありが、と…!」
「いえいえ。では行くとしますか。つかまってて下さいよ?いいですね、いいですね、いいですね?」
そして喰鮫は、ひなを優しく抱きよせ真庭の里へと向かった。


ーおまけー
「きゃはきゃは!喰鮫!お前が人を殺さなかったなんて珍しいなぁ?雨でも降るんじゃないのかぁ?きゃはきゃは!」
「茶化すのはやめて下さい。蝙蝠。私はひなを愛する事にしたのですよ。いいですね?絶対にひなに手を出さないで下さい。いいですね、いいですね?」
「きゃは!分かったけどよぉ…早速、川獺と蟷螂がなんか話してるみたいだぜぇ?あれって手を出してるんじゃねぇよなぁ?きゃはきゃはは!」
「…!!川獺ぉおぉ!蟷螂ぃいぃぃ!私のひなから離れなさい!!忍法渦刀ぁあぁ!」
喰鮫は2人(3人)に向かって突進した。
「にゃ!?危ねぇな!ひなちゃんにも当たるとこだったぞ!?俺が抱きかかえたからいいものの…」
「川獺ぉおぉ!その手を離しなさぃい!」
「こぇえぇぇww」
「喰鮫!お主、私の妹(ひな)にも攻撃があたるぞ。私の妹がお主に傷つけられたら、私はお主の首を切るからな。」
「誰が蟷螂の妹ですか!!ひなは私の嫁ですよ!?手を出さないで下さい!」
「きゃはきゃは!喰鮫が阿保になった!元から阿保だったけどな!きゃは!にしても、喰鮫は愛妻家だなぁ!きゃはきゃは!」
「うむ…」
「だなw」
「///」
「さぁ、ひな!帰りましょう!そしてあんなことや、こんなことをしましょう!」
「!?///」
「させるかぁ!忍法爪合わせ!」
「ぎゃーーーー!」
「きゃは!ざまぁwさぁ、子猫ちゃん?俺らと遊ぼうぜ!」
「あ!はい!」
「そう固くなるなよw」
「きゃは!子猫ちゃんは可愛いなぁー!」
「あぁ!やめて下さい!手を出さないで下さい!ひな!!私のもとへ帰ってきて下さい!」
「忍法、爪合わせ」
「ぎゃーーー!」

ひなは、幸せに真庭忍軍と幸せに暮らしました。
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