王女の灰色の夢物語
□2話〜少女は出会う〜
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【少女視点】
結局さっきの爆発音はなんだったんだろう?
あれのおかげで私は命拾いしたわけだけど、まさか音に礼を言うわけにはいかないし。
音がした場所にはさっきの化け物がいるだろうから行きたくないし。
必然と私の行動範囲は狭くなる。
仕方ない、この町から出よう。
どこに行くかは決めてないし、あてもないけど何とかなる!……と、思う。
困ったなぁ。
お金もないし、知り合いもいない。
これじゃ、殺してくれって言ってるもんだよぉ(泣)
半泣きしながら、隠れている私。
ただいま、足を抱えてグスグス言ってます。
今何時だろう?
空を見上げると夕焼けの空は少しずつ黒く染まり始めていた。
もうすぐ、夜か……。
ここで休んで、明日朝早くに町を出よう。
夜は怖い。
とくに独りの時は。
化け物に追われた後の夜は。
とても怖い。
秋とはいえ、もう夜は寒い。
ワンピース一枚の身体には堪える。
ガタガタ震えているのは寒さからか恐怖からか孤独からか、もうわからなかった。
誰か、助けて!
私は目に涙をためながら、虚空を見つめた。