短編とか
□時はときに、孤独さえも蝕む【三家 グロ・R-15】
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五日振りに、家康に会いに行った。
桜が咲いている、花見に行くぞ、と。
たまには外に出なければ、と。
私と居れば怖くない、安心しろ、と。
言うのだ。
言わなければいけないのだ。
いつものように、戸を開けた。
「_______!!!」
彼の腕から、蛆がわいていた。
家臣を呼び出して問い詰めようとも思ったが、怒りは其の考えすらも弾き飛ばしてしまった。
「貴様……!!虫の分際で…………ッ!!」
丁度差していた刀を抜き、振り上げた。
その時。
ぷちゅり。
家康の全身の皮膚に、小さな穴が空いた。
「な……」
其処から、ぴゅる、ぴゅる……と、卵色の液体が飛び出していく。
膿、だ。
「……っ…うッ、ぐ………うぇ、…げぇええッ……!!」
目の前の光景に、現実に、
吐き気を覚えた。
じわりと布団に染み込んでいく膿の上から、私は嘔吐した。
口を押さえ、愛して“しまって”いたヒトが喰らわれてゆく様を、
ただ、見ていた。