短編とか

□せっくす・りばーさる。 【家三 R-18】
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「………ん……」

その日は、いつもより早く目が覚めた。
本当なら日の出と共に起きる筈だったのだが、残念ながら辺りは薄暗く太陽は出ていないようだ。

(まぁ、早起きは三文の得、と言うしなぁ…)
こんな静かな朝も、悪くないかも知れない。
そう思い、ワシはむくりと布団から起き上がった。

…とは言え、まだ眠い。
起きて直ぐの体はまだ鈍ったままだ。
「よ、っ…」
ふらつきながらも手をついてゆっくりと立ち上がろうとした、その時。

すぱーんっ、と目の前の襖が開け放たれた。
「家康うぅぅぅううッ!!!」
「…っ!?」


…ワシより早起きで、尚且つ朝っぱらからこんな大声を出す奴なんて、一人しか居ない。

「…どうしたんら三成〜…こんな朝早くに…くぁあ……」
…起き抜けだからか、上手く呂律が回らない。

「早朝だと言うのは知っている!……そんな事はどうでも良いんだ!!それよりなんとかしろぉ、家康うッ!!」
「……??」
三成の声には、珍しく焦りの色が混じっていた。
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