短編とか

□頬の月【家三 病み シリアス? R-18】
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「っあ…っが、…は、ぁ…っ」
目の前の異常な光景に、ずきんと心臓が痛んだ。
ワシの腕は愛しい人の首へと伸ばされていて、細いそれを強く強く締め上げる。
「もっ…ろ… いぇあ、っ…!」
かすれて声にならない声でワシの名を呼び、涎を垂れ流して悦ぶ。
「三成っ…! 三成、大丈夫なのか…!?」
呼びかけるけれど彼の理性はとっくの昔に飛んでいるらしく、三成は喉の奥からひゅうひゅうと乾いた喘ぎを漏らしただけだった。
(…ああ……)
繋がっている其処は、手に込める力に収縮する。
腰を振って突く事より、呼吸を妨げる事の方が三成にとっては重要なことのようだった。

自分はひとを苦しめて快を得ているんだ、と痛感せずにはいられなかった。

「あっ、…っ…っっ…、あ゛…はがッ、い゛ぃッ、……っや、ず…っん゛…〜〜〜〜〜っっ!!!」

彼が達する瞬間には、「いつも通り」思い切り気道を押し潰す。
「あっ、…が… っ ……〜〜っ…」
かき消された叫びが、ただの空気になって口から出ていく。
三成は眼球を裏返し、折れそうな程背骨をしならせて悦楽に狂い鳴く。
耐え難い程にきつく腸壁がしまり、続いてワシも身体を震わせて精を吐き出した。
その後、やはり“いつも通り”身体をびくびくを痙攣させて彼は気を失うのだ。

「…っ……は、ぁ」
萎えた自身をずるりと引き抜いて、小さく息を吐く。
ワシの呼吸が整う頃には、三成は眠ってしまっていた。
まるで、幸せそうな亡骸のようだった。
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