DRRR(share house)

□#001
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池袋駅からさほど遠くない高級住宅街−−−


「あれ?静雄さん???おーーーい!!」


「どうした?」


携帯に向かって大きな声を出す正臣
それを聞いていた門田京平が不思議そうに正臣を見る


「静雄さんにポテチ頼もうと思ったんですけど切られちゃいました」


「お前…結構度胸あるよな」


門田が苦笑する


「それより飯の準備だ、手伝え」


「ええ〜!今日の当番臨也さんじゃなかったっすか?」


正臣は露骨に嫌そうな顔をしてソファーの背もたれに頭を乗せ項垂れた


「さっき電話があって今日は帰れないらしい」


門田は冷蔵庫を確認しながら言った


「うっわ…絶対ワザとですね」


「ハハッかもな、アイツ料理苦手みてぇだし。う〜ん…カレーにすっか」


冷蔵庫から食材を一通り見て今夜のメニューが決まったらしい


「マジで?!!俺門田さんのカレー大好きっす」


「お前も手伝うんだよ」


そう言われ正臣は「へ〜い」と力なく答えキッチンへと向かった





暫くしてカレーのいい香りが漂って来た頃玄関の扉の開く音がした


「ただいま」


「あ!静雄さんお帰りなさ・・・ってなんすかそれ?!!」


正臣の驚いた声が響き渡る


「拾った」


「おい、静雄…また猫か犬拾ってきたのかよ。此処はペット禁止だって何度言えば・・・」


鍋を混ぜていた門田が静雄の姿を見ると目を丸くし口をあんぐりと開ける


それも其の筈
静雄の背中には女が乗っていて、その体は傷だらけでまるで死んでいるかの様にグッタリと静雄に凭れ掛かっていた


「しず・・・おさん・・・遂に殺人犯しちゃったんすか・・・」


正臣が後ずさる


「あ?!ちげーよ、だから拾ったって」


「いやいや静雄さん?女の子が落ちてたから拾って飼うなんて…そんなエローゲーに在りがちなシチュエーション普通はないっすよ」


そう言いながらも興味津々で女をマジマジと見ている正臣


「落ち着け静雄…あった場所に返して来なさい」


まるで母親の様に門田が言う


「この状態で戻せるかよ」


静雄は女をソファーへと寝かせるとソファーに置いてあった仮眠用のブランケットを掛けてやる


ソファーでスヤスヤと眠る女を見下ろす3人
突然正臣がしゃがみ込み女の胸に耳を当てる


「テメェ…死んでねぇって言ってんだろ」


「死んでる!!!ちょっ!門田さん!」


正臣が大きな声を上げ門田の手を引き女の胸辺りを指差した


『う〜ん・・・』


その声に目を覚ましたのか女が小さく唸り薄っすらと目を開けた


「ほらな、死んでないって言っただろ」


「あれ?おかしいな…心臓の音聞こえなかったんだけど」


正臣が首を傾げた


「おい…大丈夫か?」


静雄が顔を覗き込むと女はボーっと周りを見回した


『血・・・』


「「「血?」」」


3人が同時に呟いた


『血を・・・ちょうだい』


女は自分を覗き込んで居た静雄の首に抱きつくとその首筋に噛み付いた











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