黒子のバスケ-短編-

□テツヤっちとポンタさん
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「テツヤっち、この人はお兄ちゃんが通う学校の人っスよ。この人は付いていっても大丈夫っスからね!」
「黄瀬、お前な!付いていってもって…」

テツヤは「はいっ!」と嬉しそうに笑うと「おはようごじゃいましゅ」と頭を下げてご挨拶をしてきた。


【テツヤっちとぽんたしゃん-後編-】


頭を勢いよく下げすぎてフラフラしているテツヤを見て、笠松は思わず手を差し伸べた。


(ナニコレ…カワイイッΣΣΣ(*'д'*))

「テツヤっちお名前言えるっスか」
「はいでしゅ、りょーたくん。きしぇてちゅや、しゃ…」


何とか指を3本出そうとして必死になるテツヤ。しかし人差し指・中指・薬指の3本を、中々うまく出せず必死になっている。

「頑張れテツヤっち!」
「はいっりょーたくん!しゃ、しゃんしゃいでしゅっ」

どーだ!と言わんばかりにテツヤが指をドドンと出した瞬間、笠松の胸がキュンっと熱くなった。その瞬間である。テツヤがまたあの言葉を唱えたのだ。

「ぽんたしゃんっ!かしゃまちゅしぇんぱいぽんたしゃんでしゅよ」

テツヤは非常に素直な子だったので、兄に教えられた通りの名で笠松を呼んだ。

「んー?ああ、そうだなポンタさんだな」

(ええっ!?笠松先輩が同意して笑ってるっスよ( ; ゜Д゜)!?)

「かしゃまちゅしぇんぱいぽんたしゃんしってましゅか!?」


笠松はテツヤを抱き上げると「最近良く見かけるな」と笑いながら話し掛けた。

すると、テツヤはそれはそれは嬉しそうに「ぽんたしゃんっかわいくて、ぼくしゅきでしゅ」と笠松の首に抱き付いた。

「せ、先輩っ!ぽんたしゃんの正体知ってるんスかっ?つかテツヤっちそんなに抱き付いちゃダメっ!お願いやめてっ・゜・(つД`)・゜・」
「黄瀬は知らねぇのか?」

さも不思議そうに笠松は黄瀬を見上げてきた。

「りょーたくんはしらないでしゅよ(`・ω・´)キリッ」

小さな腕でしがみついてくるこのテツヤ、お持ち帰りしたいくらいカワイイ…笠松は何かが目覚めてしまいそうで、プルプルと首を振った。

「あ、先輩!うち今日親が葬式でテツヤっち一人に出来ないっスから連れて来たんス。テツヤっちお利口さんなんで同席お願いしますっ」

「おねがいしましゅm(。_。*)m」ペコリと頭を下げるテツヤはやはりカワイイ。

「で、ぽんたしゃんって何なんスか笠松先輩っ」
「・・・」
「ないしょでしゅよ?かしゃまちゅしぇんぱいっo(*⌒―⌒*)o」
「了解した(`▲´)ゞ」

テツヤの言う“ぽんたしゃん”とは実は車のことなのだが、弟バカの黄瀬は車になど興味ないのだろう。

どうやらこの弟の方が賢そうだ、笠松はテツヤを抱き上げたまま黄瀬を置き去りに試合会場の体育館へ向かった。

-END-

ぽんたしゃん…HONDAのN-ONEがタヌキみたいで可愛くて好き。
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