黒子のバスケ-短編-

□屈辱すぎてイグナイトいきます!
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僕は火神君がアメリカに里帰りすると言うので、今回の夏休み一緒に付いて行く事にしました。

「飛行機って快適ですね。僕、飛行機初めてなんですけど今日は晴れてて空も海も綺麗です」
「良かったな、今日は揺れもないし暫く向こうも天気いいから快適だろ」

黒子は初めてのフライトが快晴快適で、かなりご機嫌のようだ。
最初「2号も一緒じゃなきゃ嫌です!」って言われた時はどうなるかと思ったが、どうなら機嫌は直ったようだ。

「揺れると酷いんですか?火神君」
「んー?天候にもよるが、雨天強風の時は揺れの他に上から下に急降下する事もある」
「え?」
「ジェットコースターみたいな感じだな。あのス――――ッと急降下するようなさ、あんな感じに近いかもしんねぇ」
「ジェットコースター…急降下、ですか」
「しかも目的地が悪天候で着陸出来ないと他の空港へ降りるから、その時はホテル代とか別にかかるしな」
「航空会社で持ってくれないんですか?」
「天災は無理だな。ホテルは探してくれるけどなぁ」
「そんなもんですか」
「そんなもんだな。あと機内の揺れひでーと、飲食サービス無くなる事もあるからそれ辛いんだよな」
「火神君らしい理由ですね」とクスクス笑い声をたててる黒子が可愛い…火神は思わず見とれてしまった。

「ま、まぁ、ここの機内食も悪くないぜ、もう時期来るから楽しみにしてろ」

ちなみに火神の体型にエコノミーは流石にキツイらしく、ビジネスなのだが黒子は恐らく座席のクラスなど解らないだろう。なんだ想像より座り心地いいな、と思うくらいで。

「お、黒子!機内食来たぜっ。腹減ったー」

火神君たら、空を飛んでまだ2時間も経ってないのに仕方ないですね。空港でもあんなに食べたのに、ほんと可愛いです!流石僕の彼氏っ!
前を見ればキャビンアテンダントの綺麗な金髪お姉さんが、ワゴンを押して機内食を配っている。
僕は窓際。火神君は通路側。お姉さんは僕らの前まで来ると通路で止まりフンワリ微笑んでこっちを見た。

(僕を見た。何で僕?僕に言いたいことは火神君に言ってくださいっ!て、 火神君っ?!)

火神君はお姉さんが押してきたワゴンの料理に夢中で、僕とお姉さんには無関心だった。

「ビール?orティー?」
(びーるおあてぃー?)

ニッコリと僕を見るお姉さん。そしてまたゆっくりと「ビールorティー?」と聞いてきた。
ああ、飲み物ですかっ!
「僕、未成年なのでお酒はちょっと」と言った所で火神がガバッとこちらを向いてきた。
「はぁ?つか黒子なに日本語で言ってんだ!酒なんて俺等に出るわけねぇだろがっ」
「でもビールかお茶って」
「違うっつーの!肉と魚どっちにするか聞いてんだよっ。」

は?(゜д゜)?!え?肉か魚?(゜Д゜;)!!


そのあとは、火神君が流暢な英語で全て整えてくれた。ショックを受けた僕の為にバニラアイスを頼んでくれもした。

キャビンアテンダントのお姉さんが聞いたのはこうだ。
「BEEForFISH?」
―お肉にする?それともお魚にする?―

食事のメインを肉か魚か選べると言うものだったのだ。 僕はこんな簡単な単語すら、テンパって聞き取れなかった。ショックだ・・・青峰君に試合で負けた時と同じくらいショックだった。

「まぁまぁ黒子!気にするなって」
「…火神君…グス…」
火神君が顔全体で笑ってる。何だかイラッとしますね。

「プッ(*^w^)それにしても…肉と魚、ビーフorフィッシュを!ククッ、ビ、ビールとティーって…ありえねぇっ!」

何でしょうコレ。何ですかコレ?たかが聞き間違いでココまで言われなきゃいけないんですかね?ビーフとフィッシュはそんなに偉いんですかっ?!バニラシェイクより偉大ですかっ(怒)殺っていいですか?殺っていいですよね!殺りますよ?火神君!

えいっ(ノ-_-)ノ~

―ドスッ―至近距離からの高速イグナイト!

「スッキリしました。」
「く…くろ、こぉおおおっ(怒)」
ぱたり。哀れ火神は、逆恨みに近い黒子の反撃にあい深い眠りについた。

どうやら黒子はこれがトラウマとなったようで、それ以来飛行機内でキャビンアテンダントとは目も合わせず、口を聞かなくなったようです。

-END-

はい。これはマルシェが香港へ向かう機内で起こした聞き間違いです…めちゃくちゃ恥ずかしかったです(笑)

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