-giftbox-
□“光ノ在処”輝翔瑠菜様のサイトでキリ番踏んでリクエストした作品です。
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※マルシェさんリク小説
1から6までの数字が表記されたルーレットがクルクルと回る。少しして赤い矢印の先に止まったのは数字の2。
ルーレットを回した黄瀬が黄色い車の形をした駒を2マス動かす。
黄瀬の駒が止まったマスには"中学校入学おめでとう!!"と書かれていた。
「お、やっと俺も中学入学ッスよ!」
「おー…そーか、よかったなー」
次の順番である青峰は嬉々として喋る黄瀬に生返事をしながらルーレットを回す。ルーレットの矢印に止まった数字は1。
たったの1かよ、と舌打ちをしながら青色の駒を1マス動かす。"貴方はバスケ部に入部しました"と書かれたマスに止まった。
「バスケってこの間テレビで観た奴ッスよね?」
「はい。テレビで観て面白そうだと思ったので書いてみました」
「このマス、黒ちんが書いたんだ〜」
「バスケ部入部ってことで、今度一緒にバスケやろうぜ、テツ」
「あ、青峰っちズルいッス!!俺もバスケやるッス!!」
「じゃあ皆でやりましょうか」
きっと皆でやった方が楽しいですから。
微笑を浮かべる黒子に黄瀬が抱き付き、すかさず青峰が黄瀬を突き飛ばす。
なにするんスかー、テメェがテツに抱きつくからだろ!!と後ろで大騒ぎしている二人を放って黒子はルーレットを回した。数字は3。
トントントン、と進んだ先には青峰の駒があった。
「あ、ボクもバスケ部に入部しました。と言うことで青峰君、よろしくお願いします」
「テツもバスケ部に入部したのか!!一緒に練習頑張ろうぜ!!」
「はい」
「………羨ましいなぁ…」
仲良くコツンと拳をぶつけ合う二人の向かい側には桃井が羨ましそうに見詰めていた。
改めて男の子って良いなぁ、と呟きながら桃井もルーレットを回す。数字は7。
止まったマスにはピンク色のペンで"貴方は初恋をする"と書かれていた。
「……初恋…」
私の初恋は―――。
チラリと黒子に目をやれば水色の瞳と目が合った。不思議そうに瞬かれた水色の瞳、小首を傾げた彼の姿にドクリと心臓が高鳴った。同時に顔が赤くなる。
「わ、私の初恋はテツ君ですっ!」
「え?青峰君じゃないんですか?」
「誰があんなガングロ好きになるもんですか!」
「おい、さつきテメェ…」
青峰の鋭い眼差しに怯えるどころか、頬を膨らませてフイッと顔を逸らす桃井。そんな彼女に負けじと青峰が「俺だって殺人料理を作る奴なんか好きにならねぇよ!!」と叫ぶ。この一言が痴話喧嘩のスイッチを押してしまった。
ぎゃあぎゃあと騒ぐ桃井と青峰を背景にまいう棒をくわえた紫原がルーレットを回す。数字は7。
"テストで赤点を取りました補習を受ける為、一回休んでください"と書かれたマスに止まってしまった。
「うわ…最悪…」
「なんか…テストで赤点とか補習とか凄い現実的だけどこのマスは一体誰書いたの?」
「俺なのだよ」
桃井の質問に緑間がクイッと眼鏡を押し上げながら答える。
何となく予想はしていたがやっぱりアンタか、とドヤ顔をしている緑間に対し、何とも言えない表情を浮かべる青峰と黄瀬。
くわえていたまいう棒を口内に放り込んだ紫原は眉間にシワを寄せて緑間を見た。
「俺、そんなに頭悪くないしー」
「紫原君って結構頭良いですよね」
「どっちかって言うと黄瀬ちんとか峰ちんとかが赤点取りそうだよね〜」
「おい、喧嘩売ってんのか」
「酷いっス!!俺、そんなに頭悪くないっスよ!?」
「だって本当のことじゃん」
この間だって赤司が二人の勉強を見ている最中に頭を抱えて溜息を吐いていた。あの赤司が、だ。
勉強を教えていた時のことを思い出したのか、紫原の隣に座っていた赤司が遠い目をして笑う。
彼の表情を見て黄瀬と青峰以外の皆は察した。
二人は壊滅的に頭が悪いのだと。
緑間がルーレットを回す。数字は9。
順調に緑色の駒を進めていた緑間が急に固まる。彼が出したのは9だ。しかし、8まで動かしてその先に進もうとしない。
何故だろうかと一同が盤上を覗き込めば、彼が先に動き出したくない理由を悟る。
新しいまいう棒(明太子味)をくわえた紫原が緑間の肩をポンッと叩く。
「一緒に補習を受けよう?」
「………うるさいのだよ」
「ぶっは!自爆してやんのー!」
「緑間っちドンマイ☆」
「うるさいのだよ!!そこの馬鹿二人は黙れっ!!」
「緑間君が赤点ってちょっと想像出来ないです」
「人事を尽くしても赤点から逃れられなかったか」
「赤司ぃぃぃ…」
緑間の恨めしそうな眼差しを受けながら赤司は緑間の手をつかんで強引に緑色の駒を一つ先――"テストで赤点を取りました補習を受ける為、一回休んでください"のマスに動かした。
次は俺の番だな、と赤司がルーレットを回す。数字は10。
赤色の駒は"中学校卒業おめでとう!!"と書かれたマスの上に置かれた。
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