黒子のバスケ-長編-

□お正月。緑間と徠我とトラ吉と…
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(なんか臭いがまぁサッパリしたのだよ、ありがとう黒子)

「ふぉううにゃ(ふおーらるでしゅみろりまく、くしゃいいうのパパいっしょ)」

(…火神と同レベルは嫌なのだよ)


【お正月。緑間と徠我とトラ吉と…2】

火神は震えていた。
キッチンから徠我のミルクを持って戻ると、なんとバスケットに黒子命名“トラ吉”が入っているではないか。

ベビーブルーの可愛い可愛い徠我の隣に、金茶×黒のシマシマ野良ニャンが・・・我が物顔で・・・ちんまりと仲良さげに並んでいた。

「あのー黒子サン?俺はさっき近付けるなと言ったよなぁ?」
「ちゃんとシャンプータオルしましたし、午後には病院連れていきますからいいじゃないですか」
「…病院行ってオスミツキ貰ってから近付けろよっ(怒)病気あったらどうすんだよ黒子っ!」

ペットをお飼いの皆様は、全くごもっともですと頷いてる事だろう。

「…仲良くしてるから大丈夫です…多分…」
「仲良くしてても病気持ちだったら徠我がしんどい思いすんだぞっ!?」
「・・・プイッ・・・不愉快です、バカ神君のくせにこんな時だけ・・・」
「チッ…目ぇ反らしやがったな黒子!そんな可愛い顔したってダメなものはダメなんだからなっ…あぁ、でも可愛い…いや、ダメだ…でも可愛い…」


終いには、逆ギレした黒子にイグナイトを喰らい火神は床に沈んだ。


(ヒソヒソ…おい徠我、あのバカップルはいつも“ああ”なのか?)

「ばぁ?うぅにゃ(わかっぷる??パパとママはいつもあんにゃでしゅ)」

そのあとに「パパはママに“いつも”いいようにつかわれている」と徠我はトラ吉こと緑間に告げた。

(ところで徠我、お前の願いを聞けば本当に俺は人間に戻れるのか?)

「たぁうんにゃ(たぶんもどれるにゃ)」

(解った…元に戻ったら黄瀬をここに連れてきてやろう。それでいいか?徠我)

「みろりぃ、ねぇ(みろりまく、は、やさしいでしゅねえ)」

まだまだ目が開いたばかりの徠我だが、ほんにゃりと笑う可愛い姿に庇護欲がわきすぎてちょっと困ってしまった緑間であった。

だってこんなに可愛くて(初恋相手の)黒子にそっくりで、黒子より表情豊かで黒子や徠我と毎日だって逢いたいのに意識が体に戻ったら・・・緑間家に黒子や徠我が居るはずもなく・・・絶対淋しい。
しかしこのままでは(大好きな)バスケは出来ない。
ついでに言うなら、どうやら徠我は黄瀬に気があるようだし。
ダメダメではないか。

(俺も黒子猫が欲しいのだよ)

バスケットに額をすりすりしながら緑間が呟くと、徠我が意外な言葉をかけてきた。

「にゃ(やめたほうがいいにゃ)」

(徠我?)

「にぁにぁあ(みろりまく…ぼくはねこにぁ)」

(徠我…)

「にぁああ(ねこはねこのじかんをいきるにゃ)」

(猫の時間?)

徠我は緑間の目を見て、こう述べた。

―ねこはひとよりはやくしぬいきものにぁ―



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