シンさんの飼い犬

□ミント犬日記〜○月○日 今日は全室掃除の日〜
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いろいろ、本家とかGREE恋海1のストを引っ張ってる部分があります。
そんなことあったねー♪と想い出しつつ、おたのしみくださいませ。


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今日の巡回は、下の階。
なんでかって、今日はトワお兄ちゃん担当の「全室掃除」の日だからだ。
こういう日は、いつも一緒に行動するシンさんも、
「好きにしてこい。……頼んだぞ、トワ。」
と送り出してくれる。
だって、自分じゃ甲板へ上がれないもんね。
単独行動はキンモツなのだ。

全室掃除──つまり、全員今日はお掃除だと解っているから、部屋の鍵はかけていない。
ついでに、トワお兄ちゃんは、全部の扉を開け放してから一通りの掃除を始める。
「さて、今日もソウシさんの所から始めましょうか。」
ソウシさんの部屋は、なんていうか、入りづらい。
「掃除の前にはちゃんと片付けてるよ。」
とソウシさんは言うけれど、……言うけれど、足の踏み場は有っても、今にも崩れそうな見上げるほど高い本の山の間を歩くのは、何というか……うん、けっこうスリルがある。
そして、その混沌の中で一番広い空間の下に、あたしの目的地はある。
「じゃあミントちゃん、お願いします。」
「わんっ」
トワお兄ちゃんに頼まれて、身を屈めてその下へ潜り込む。
潜り込んでしまえば決して狭くないその空間は、実は私のお気に入りの場所。
いくつか紛れ込んでいるソウシさんの書き散らした紙をそっと咥え集めると、トワお兄ちゃんのいる方向へ押し出して。
(うん、片付いたかな♪)
残るはあたしの、隠してる物。

ソウシさんは、いつもはニコニコ優しい人だけど、怒ると実はいっちばーん怖い人だと、あたしは思っている。
理不尽なことは許さない、といった感じ。
(………けっこう、ご自身も理不尽なことしてると思うんだけどなー…)
とかトワお兄ちゃん達を見てて時々思うことは、ナイショ。
思っても口に出していってはイケナイ事がある、というのは、あたしだって知っている。

あ、話が逸れたな。
それで、ソウシさんはそういう人だから。
ここには……あたしをイジメた人の使った道具とかお気に入りの物とか、そういうのを、収納しておく事にしている。
ハンドルを回すとあたしの大嫌いなゴロゴロ重低音が鳴る仕掛けの箱とか、
蓋を開けると妙な物が飛び出してくる箱とか……。
たまに大きな街へ行くと、そういうのを買ってくるから、たまったもんじゃない。
(また今度、仕返ししてやるんだから…!)
置いてあるそれらを睨み復讐を誓うと、私はソウシさんのベッドの下から這い出した。

「ありがとうございます、ミントちゃん。じゃあ、ナギさんの部屋、行ってて良いですよ。」

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