シンさんの飼い犬

□ハヤテ×アイス=?
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「あっっっちぃぃぃぃーーーーっ!!!!」
五月晴れ、と言うに相応しい青空の中へ、大きな声が吸いこまれていく。
「なんとかなんねーのかよっ、シンっ!」
ごろんと甲板に寝転び額の汗を袖で拭って、ハヤテが苛々といつものように不満をぶつける。
「暑いのは自分だけだとでも思ってんのか、あのバカは」
大声を出す気力さえ湧かないのか、シンさんが顔をしかめた。

暑い。
とにかく、暑い。
この時季、この海域が、こんなに暑いのは珍しいとシンさんは言う。
「毛むくじゃらのお前にとっても、過ごしやすい気候の筈なんだが…」
寒い季節から暑い季節への変わり目で、
天候が安定しないとは言え、こんなに暑いのは異常らしい。
「日陰になるところで大人しくしてろ。なるべく、少しでも風の通りの良いところでな」
シンさんが舵を取りながら、甲板へ行け と指す。
(暑いのはかなわないけど、出来ればシンさんの傍に居たいのにな…)
そう思いながらも、シンさんの指示には従うのが賢明というもの。
(シンさんも、無理しないでね…)
後ろ髪を引かれる思いで振り返りつつ、甲板へと下りた。


積まれている木箱の陰で大人しく涼む。
首を伸ばして寝そべり、ふぅー と溜め息をついていると、
「おい、ミント! いいものやろーか?」
ゴキゲンな様子でハヤテが現れた。
(後ろ手に何か、隠してる…)
くんくん、と匂ってみるが、ハッキリとわからない。
と、
「ほらよ!」
カラカラに乾く寸前の鼻先に、冷たい感触。
「アイスだぜ! 食うか?」
(あいす…?)
見たことの無い物体に、ちょっと躊躇う。
鼻についたソレをぺろりと舐めると、
(わ…甘いっ)
知らない食べ物。
でも、甘くて、冷たくて…。
「あー、溶けちまうだろ…」
パクッとその角を、ハヤテが囓り取る。
「ほら、食わねーのかよ?」
屈んで差し出されたソレを、誘惑に負けてちょっとだけ…。
(!)
冷たさと甘さと、何とも言えない食感。
(おいしー…!)
「お前…ちっちぇー囓り方すんのなー」
ハヤテが、はぐっ とまた囓る。
「はぁ〜、うめー。ナギ兄に大感謝だぜー」
幸せそうに目を細める。
(……もっかい、食べたいな)
「もうひとくち、食うか?」
思うのと同時に差し出されたソレに、迷わずかぶりついた。
(んんん〜〜〜っ、オイシイ〜〜っ♪)
しゃくしゃくごくん と飲み込むと、目の前のアイスがぷるぷる震えていた。
「お〜ま〜え〜なぁ〜〜〜〜」
ハヤテが甲板に話しかけている。
(?)
そっと覗きこむと、
「このバカっ、一気に食うなよ、オレのが無くなるだろっ?!」
キーンと鼓膜が痺れるほどの、大声でハヤテが怒鳴った。
「今日という今日は、キッチリ反省させてやるッ!」
大きな手が急に伸びてきて、慌てて逃げ出す。
「待ちやがれっ、ばかミントっ!」



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以下、そのうち続き書きますσ(^-^;)





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