小さな部屋


□細道
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朝桐高校の近くにある本屋さん
そこでバイトをしている
特に売れ行きが良いわけでも
なければ本の品揃えが良いわけでもない
そんな本屋さんでバイトする訳は…
金…ではなく、店のバイトの子で
友達の従姉であって
俺の前世の師匠だ

俺は前世の記憶はある…だから初めてこの惚けた顔を見たときにすぐに分かった…
でもあちらは何も覚えておらず
ただのバイトの子としか思ってはいないのだった

『はぁ…』
『どうしたの〜?大空君元気ないね』
なんて…誰のせいだと思っているのだろうか
『いえ、別に…なんでもありませんよ』
『そうなの?何かあったら相談してね』
彼は優しい…
今彼は先輩である俺にも敬語を使わないのは失礼ではなく彼の差別のなさからである
それゆえいじめられやすく守らねばならないのだ…
いくら前世の師匠と言っても今はただの年下の後輩しっかりとしなくては…
そんな事をかんがえているうちにバイトの時間は終わっていた


















『おはよ!!』『はよー』
『おはようございます』
『相変わらず固いなぁ…』
『大空君はもう少し物腰柔らかくした方がいいよ』
『朝からなんです?二人して…』
『だってせっかくのイケメンがこれだもん…』
『台無しみたいに言わないでください、それにイケメンではありません』
『あーあ…そういうのがイケメンなんだね〜』
なんて駄弁っているのは友人の小野原と鬼塚二人とも優しくそして前世の記憶がある
鬼塚も小野原もまだ探している人には会えておらず俺を羨ましいと言っていた…
そしてこの三人の共通の悩みはもうひとつあって…
それは…
「あ…あの大空君…今日暇?」
『暇じゃないですさようなら』
そう…女の子にモテる
ナルシストではない断じて
嫌でも女の子が毎日よってくる…
そして何か少しするだけでキャーキャー騒がれやらメールやら毎日辛い3人そろって女の子に興味がないなんて周りが悲しむだろうけど仕方ないのだ…

『…あ、大空君だ』
『…先輩は?』
『要らないよ〜だって同じ高校生だよ?』
『雪平君らしいね〜』
『小野原は優しすぎんだよ』
『そうですよこのちびにはきつくお仕置きをすべきなんです…』
『ひぃぃ…司ぁ…』
『司さん…雪平さんをこちらに…』
『まぁまぁ…二人とも大人でしょ?』
『あーはいはい』
『ちっ…』
なんて毎日の楽しみを過ごすのだ…












『そういえば大空君はどうして本屋さんでバイトしてるの?』
それはあなたがいるから…とは言える訳もなく
『あー…本が好きだからですよ』
『へぇ…だから言葉遣いも綺麗なんだ…』
本当は違う…言葉遣いなんて親が厳しから言われ続けただけなのだそれに本は好きだけどアニメなどの本は真っ当駄目で、かたっくるしいような本しか読めないのだ
『僕はこの本が好きなんだ♪』
なんて可愛いらしく取った本は自分の同居人の本だった…
『あぁ…』
感想はそれしか出なかったその本は女性が主役なので書いている人も女性だと、思われているなのに現実はただの引きこもりニートなのだ金はあっても家事は絶対にしないそんな彼の世話をしている自分が好きな人に好かれていたら腹も立つものだろう…
帰ったら1発かまそうそうかんがえてまた今日も1日が終わってしまった

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