ロイマリ10title

□03.遠い距離
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またやってしまった…。


いつものごとく上司に捕まり、マスタング大佐の嫌味をクドクドと言われている所をジャンに助けられた。

「ありがとう…」
「まぁ、仕方ねぇって。あれは中尉しか対応出来ねぇもん。お前になってここぞとばかりに嫌味言いにくるんだから、あの人達も暇だよなぁ〜」

苦笑しながら煙草の煙を吐くジャンに笑顔を見せてはいたけれど…
この時の私は完全に落ち込んでいたのよ…。


-*-*-*-*-*-*-

「はぁ…」

昼休み、中庭でお弁当を食べながら一人ため息を吐いた。
今日の中身はちょっと自信がある…のに味わって食べてる余裕がない。

「ホークアイ中尉には程遠いわよねぇ…」

箸を咥えながら再びため息をついて俯いていると、ふっと視界が暗くなった。

「美味しそうな弁当だな」
「へ?」
「手作りかい?」

ビックリして顔を上げたら微笑んだ大佐が屈んで見下ろしていた。

きゃーっ、顔が近いわよ!!


「ぁ…はい、たいしたものは出来ませんけど……」

嘘おっしゃいよ!今日のはとびきり頑張って作ってたじゃない!

…なーんて少し謙虚な女を演じてみる。
軍人なんてやってると女を捨てがちだけど、やっぱりイイ恋したいもの!って、別にマスタング大佐を相手になんて考えてないわよ?そんな恐れ多い事できますか…;;大佐は尋常でないくらいモテるのよ。もし、もしよ?私が想いを寄せたって無駄だもの…そう思ってはいたけど、やっぱり綺麗な顔をしてるわ。
スッと流れた鋭い瞳にサラサラな髪、意外と鍛えぬかれた身体……って何ジロジロ見てるの!?
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