幼馴染以上恋人未満

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※江はスイミングクラブに通っていた設定?




そして、放課後。
遙は先に学校を早退しており、いつも通り水風呂に水着を着て入っていた。
すると家に呼び出し音が鳴ったが反応することはなかった。


呼びだしたのは赤髪の女の子、凛の妹の松岡江だった。


「……………(居ないのかな?…帰ろう)――!?」


帰ろうと振り返るとそこには真琴と渚と名前がいて、江を連れて展望台に向かった。

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「へぇ……“ごう”ちゃんも岩鳶高校に入ったんだ!」


渚は丸型の木製椅子に腰かけ話す。


「ごうって呼ばないで!こうって呼ばれてるんだから!」


「えぇ〜……戦国武将、浅井長政の三女の江と同じ名前でしょ?」


「そうだけど!…こうって呼ばれてるんだから、そこは素直にこうって呼ぶのが優しさってもんじゃないの!」


睨み合う江と渚に真琴は止める。


「まあ……そんなことより「そんなこと!?」…ごめん」


「ふふ――」


名前はクスッと笑う。


「名前先輩も笑わないで下さいよ!」


「ん?……なんであたしの名前知ってるの?」


「え………!?」


今日初めてあったはずの子に名前を当てられ驚くと共に江も驚く。真琴たちはあたふたし始めた


「ちょッ……えーと!江ちゃんちょっと―――」


「はい――」


真琴は江を連れて名前たちと少し離れた場所に移動する。


「どうしたんですか?」


「名前のことだけど……凛から聞いてない?」


真面目な表情に江も引き締まる。


「あの、一部の記憶が…ない。とか?」


「そうなんだけど、もうひとつあるんだ。――スイミングクラブにいた女子の名前を一人も覚えていないんだ…。」


「!?……じゃあ、私のこともですか?」


「そういうことだね…。ごめんね、いろいろ迷惑かけると思うけど理解してほしい」


「…はい、分りました。」


名前は一部の記憶とクラブにいた女子の名前を覚えていなかったそれはいじめが原因。嫌なものは名前の記憶から消され、現在の名前は女子を苦手としている。


「名前先輩!はじめまして!松岡凛の妹の江です!!」


「今自分で“ごう”って言ったよ「うるさい!」――ククッ」


「よろしくお願いします!」


綺麗に名前の前でお辞儀をした江。


「ふふっ面白い子だね!――凛の妹か…かわいいね!よろしくこうちゃん!」


江の前では怯えることなく話せた名前に真琴はホッとした。


「はい!――(名前先輩、美人だな…お兄ちゃんが惚れるのもわかるわ)」


「で、なんで江ちゃんは遙の家に来てたの?」


真琴は話を変えた。


「そ、それは…お兄ちゃんのこととかを聞きに?」


「凛、やっぱりオーストラリアから帰ってきてるの?」


「先月帰国して、この春から鮫柄学園に――あそこ全寮制だから家には帰ってきてませんけど…。」


真琴と渚は目を見開いた。


「鮫柄ってあの水泳強豪校!?」


「………………………」


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