どりーむ
□第一話
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「会いたい・・・」
まただ・・・
夢のなかで誰かが泣いてる
「会いたいよ・・・」
あなたは・・・
誰なの・・・?
第一話
ピチチッ
小さな鳥のさえずりで目を覚ます。
(ああ…また夢か…)
子供が寝るには大きすぎるサイズのベッドからもぞもぞと抜け出し、朝日を遮っているカーテンを開けた。
(最近変な夢をよく見る…)
誰かに会いたいと泣いている女の子の夢。
なぜだか知らないが、私はその女の子をよく知っている気がした。
(でも、思い出せない…)
コンコンッ
「ごむべいー?起きてる?」
「流架?」
「もうそろそろ朝食の時間だから一緒に行こうと思って…」
「もうそんな時間?ちょっと待って!すぐ準備する!」
時計を見ると、確かにもうそろそろみんなが食堂に集まりだす時間だった。
慌てて制服に着替え、鏡の前で念入りに身なりをチェックする。
「笑顔…よし!」
鏡の前で全力の笑顔を作ると、大好きな彼が待っているであろう扉を開けた。