□隠蔽
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ー俺とこの人には、誰にも打ち明けられない秘密があったー

「十束、またこないな物持ってきて…ここはガラクタ屋やないんやで?」
呆れたようにするこのBARの店主、草薙は目の前にいる自由奔放な十束に困っている様子だった。

「これが、ガラクタに見えるの!!?草薙さん!!??」
大きな瞳を更に見開いて言う姿はどう見ても子供だ。

「アホか。ガラクタにしか見えへん」
そう切り捨てられ、ショックなのか八田に助けを求めだした。
「うぇーん、八田ぁー。草薙さんがガラクタとか言うよー」
「俺に振らないで下さいよっ!!」
慌てて逃げ出す八田をむっとした表情で十束は言った。

「ふん、もういーもんっ!ガラクタとか言う草薙さんに店番頼まれてもしないからねっ!!」
あっかんべーをして、十束は店から出て行ってしまった。

「はぁ…誰か連れ戻してきぃ。伏見くん頼んだわ」
「……はぁ、俺ですか」
渋々ながら椅子から立ち上がり、扉を開けて外に出た。



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