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□promise
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「…夜分遅くに済まない、未だ起きているか?」


コン、とドアをノックする音とほぼ同時に聞こえてきた声に、睡魔に取られかけていた意識を僅かに掴み直す。


「ん、起きてるよ」


入っておいで、とドア越しに声を掛ければ音を立てまいと恐る恐る開くドア。
隙間から金髪がさらりと覗いた。






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「…だからこの文はこういう意味に取れる、判った?」


金髪の隣に座り古文を読解しそれを更に判りやすく纏め説明する。

勿論の事、


「成程、こういう意味だから此処に繋がるのか」


理解力の高い彼女は御覧の通り。
元々聡明ではあるんだけど。


「そういう事、流石首席」


にっこりと満面の笑みで讚美を送る。
目の前の金髪は学年で首位が易々取れる位の秀才。


「お前に言われてもな、生徒会長」


…かくいう俺もそれなりではあるんだが。


「俺が居なかったらクラピカが会長だよ」


「だったら逸そリークでもしましょうか、先輩」


「…負けるかも知れないな」


俺は冗談に冗談で返すこのやり取りが擽ったくて好きだ。
普段は堅物の彼女も俺の前ではこう冗談も言うその事実が擽ったい。


「随分と弱気じゃないか、珍しい」


クスリと笑みが溢れて目元を細める。
何処か未だ幼さが残る顔。
端から見れば随分大人びた顔も笑えば年相応。


「クラピカ相手じゃ本気になれないよ」


横目で金髪を見据えれば口角を上げて席を立つ。
何処かに行くのか、と言いたげな蒼眼を見て、


「紅茶淹れるよ、休憩に」


短く用件を言うと相手の頬に軽く口付ける。


「…有難う、悪いな」


口付けた瞬間にフイ、と顔を逸らす。
耳まで紅く染めてるのが髪の隙間から見えた。

それだけで満足感を得る俺は幸福者なのかもしれない。


「はは、照れる何て珍しいじゃないか」


「…煩い」


紅茶を持って渡すと直ぐ様一気に飲み干してしまった。

飲み干したカップを俺に直ぐ返すと帰り支度を済ます。


「…今日はもう遅いから、また明日教えて貰うよ」


助かった、とそれだけ言うとドアの向こう側に消えた。
パタン、と扉の閉まる音と共に静寂。


先程の赤面顔を頭に浮かべながら手に持つカップに視線を落とす。





「ふ、可愛い後輩」


また明日何て、可愛い約束。






fin.→
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