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□優々
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「はは、借りてきた猫みたいだ」


無機質な部屋に響く男のやや高めの声に垂れていた頭を上げる。


「…何の用だ」


私を見ながら口角を僅かに上げている。
その表情が気に食わない。







─────────優々─────────








「用っていうか、俺監視番だからさ」


私の近くに腰を降ろし私の顔を窺う様に覗く。
翠の瞳と視線がかち合った。


「…何を見ている」


「本当に男? 鎖野郎って」


聞き慣れた質問。
此処に連れられてから何度聞かれたか。


「私の何処が女に見えると言うのだ」


「ん-…、骨格もそうだけど、一番は喉かな。 17歳にしては変声期が来てないし喉仏も出ていない。 ま、パクが調べたから女だっていうのは知ってるよ」


「………悪趣味め」


私が女だと知っていてあの質問を態と投げ掛けた事に苛付きが募る。
鎖で繋がれていなければ今直ぐに殴り倒したい位だ。


「そう睨まないでよ、結構気に入ってるんだ、君の顔」


鋭く睨んでいるにも関わらずおどけて見せる相手に更に眉間の皺が深くなる。

何を言っても無駄だと目線を相手から外すと相手の方から小さく息を吐く音を耳が捉えた。


その音を認識した瞬間目の前には先程迄反対側に居た団員。
手首を掴まれ反応する前に頬に口付けが落とされた。


「…っ貴様!!!」


即座に腕を振り払い相手の顔面に蹴りを放ったが其は当たる事は無く宙を切るだけだった。


「はは、怖いな。 これ以上は団長も怒るし何もしないよ」


一定の距離を取り然も楽しそうにその顔には笑顔を湛える。


「…失せろ」


「だから俺見張番何だって」


これ以上無い位に睨み付けても相手から返ってくるのは微笑みだけ。
口付けが落とされた箇所を拭い相手に背を向ける様に体勢を変える。



後ろからクスリ、と笑う声が聞こえたのは気のせいだろうか。



fin.→
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