タイトル

□甘噛み
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かぷり。
実際そんな音は鳴っていないけどそう聞こえる。


「ん..っ」


「あ、やっと起きた」


耳元でおはよう、何て囁きながら私の額にキスを落とす。


「…また噛んだだろう」


朝の挨拶を素直に受けつつも先程耳に感じた緩い痛みについて問う。


「だって他の何をしても君寝起きが悪いじゃ無いか」


此処にキスしても駄目だったし、と頭を撫でながら頬に触れるだけのキス。

そのまま口に…と顔が近付いて来たから寸での所で相手の口を手で塞いだ。


「普通に起こしてくれないか」


「でも好きでしょ、耳噛まれるの」


私に口元を押さえられている為手の中でもごもごと喋る。
相手の息と唇が当たって少し擽ったさを感じる。


「………嫌いではないというだけなのだよ」


「素直じゃないなぁ」


クス、と笑ったかと思えば私の手首を掴み唇に唇を重ねる。
ちゅ、と小さいリップ音と共に唇が離れる。


「未だ起きたばかりだというのに…」


「休みの日位良いだろう?」


「休みで無くとも変わらんだろうが」


私が悪態を吐いても、そうだね、何て言って笑うだけ。
そしてまた懲りずに頬に何度もキスを落とす。


嗚呼、憎たらしい。







「…馬鹿者」



憎たらしい程、君が好きだと。



「ちょ…少し痛いって」





私も君を噛んで君に伝えようか。





fin.


こんな感じで朝からじゃれてれば良いよもう素敵

噛んで起こすとか猫じゃないんだからああ可愛い

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