タイトル
□愛憎カッター
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揺れる緋に満ちた瞳は滲み出る憎悪を隠し切れず溢れ頬を伝う。
只自分を見詰める其の緋が堪らなく嗜虐心を昂らせる。
「悔しいか?」
己の無力さが。
「恐いか?」
圧倒的な力の差が。
「憎いか?」
御前の仲間を殺した俺が。
問いに答える代わりに返って来たのは激しい怒りと憎悪を称えた深紅の瞳。
御前を必ず殺す。
世界の果て迄追い掛けて私のこの手で息の根を止めてやる。
仲間の亡骸を腕に抱き抱えながら視線を外す事無く放たれた言葉。
「其は楽しみだ、俺を落胆させるなよ」
時間と共に怒りが風化する様なら直ぐ様殺してやる。
「安心して俺を憎め」
此から先何があろうと御前は俺から離れられない。
俺だけを怨み追い掛ければ良い。
御前が俺を殺すか。
俺が御前を殺すか。
さてどちらの刃が先に折れるか楽しみだ。
fin.
クルタ襲撃直後辺り,
最低クロロ素敵,