タイトル
□めまい
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それは視界が廻る感覚に似ている。
何かの本で読んだ事がある。
眩暈等鬱陶しいものなのだが。
風に震える細く長い睫毛に、海を切り取った様な蒼眼。
薄く色付いた唇に、愛おしく俺の事を呼ぶ声。
頬に触れる掌に、目元をなぞる華奢な指。
それらに触れる極僅かな一瞬何時も視界がくらりと廻る。
陶酔、とは少し違う。
何が違うのかは不透明だが。
そこまで悪い気分じゃ無い。
ふと君を見詰めていたら微笑みが返ってきた。
嗚呼、またくらりと廻る。
今考えている事全て放ってしまいたくなる様な。
目の前の笑顔だけで思考を埋めてしまいたくなる様な。
恋は眩暈と似ているという。
この感覚がもしそれだとしたなら。
鬱陶しい眩暈も、好きになれるかもしれない。
fin.
恋を知らないクロロくん可愛い
クロロは知らない感情とか良く比喩してそう