タイトル

□ひざまくら
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慣れた体温が頬に伝わる。
慣れた手付きが私の髪を梳く。
慣れた声が耳を撫ぜる様に通っていく。



「珍しいな、お前から膝に寝っ転ぶなんざ」



私だって、甘えたい時位あるんだ。
言葉にはしないで身じろきひとつ。



「..はいはい、わーってるよ」



ぽんぽん、と頭を叩いたかと思えば指の間で髪を梳く感覚。
少しだけ肩を竦める。



「相変わらず髪梳かれるの好きなんだな」



お前だから、と言いかけて慌てて口を閉じた。
こんな恥ずかしい事言えるか。



「耳赤いぞ、クラピカ」



言おうとした事を見透かされてるみたいで腹が立つ。
出来る限り怖い顔で睨み付けてやれば眉間に皺を寄せてくしゃっと笑う顔。


くそ、そんな顔で笑われたら怒れないだろうが。



「クラピカ」



落ち着いた声で私を呼ぶ。



言葉なんか最低限で良いんだ。
呼ばれて振り返って、精一杯抱きしめて。

目を見て笑いあって、時間が止まる様なキスをして。




「大好きだ」と伝われば、それで。






fin.


二人の間には言葉はいりませんねかわゆ..,

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