★☆四神天地書☆★

□第2章 朱雀七星士【鬼宿】
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【鬼宿】を見つける旅は、すぐに始まった。



馬に乗れない名前は、柳宿の後ろに乗る。



始めは怖かったが、乗っていると次第に慣れてくる。



ボーっとしているとお母さんや妹、友達のことが頭に浮かぶ。



あっちの世界で、私はどうなっているのだろう。



『名前さん…どうして逝ってしまったのですか?…一緒の高校に行こうって…』



そして、泣いている親友&その他諸々の人々。



その場はお葬((((



ダメだ!!変なこと考えちゃ!



「天地書からすると、ここら辺なんだが…」



星宿が馬を止める。



「少し休みますか」



とゆーことで近くのお店に入る。



品物が来るのを待っている間に、お店の中の人に『鬼』の字を持つ人を知っているか聞いた。



「名前は、いい巫女だ…」



「はい…少しやり過ぎだと思います
が…」



星宿と柳宿が話している間には、外に
いる人にまで聞いていた。



早く鬼宿を見つけなきゃ!



その思いでいっぱいなのだろう。



品物が運ばれて来てもまだ戻って来なかった。



「ちょっと私見て来ます」



柳宿は、外に出て辺りを見た。



「ねぇねぇ、体に字のある人見たことある子いるかなぁ?見たことある子は手を挙げてほしいなぁ!」


名前は、小さな子供達にまで聞いていた。



それも、とても楽しそうな笑顔で。



子供達も、笑顔で名前の周りに集まる。



「僕知ってるよ。頭に字があるお兄さん!」



そう言って額を指さす男の子。



「そのお兄さん、どこにいるか分かるかなぁ?」



「よくここら辺にいるよ!お姉ちゃんは探偵さん?」



「そうなの。探偵さんだから、その人を見つけなくちゃいけないんだ!」



「じゃあ僕達がお手伝いするよ!お兄さんが来たら教えてあげる」 



「本当!?ありがとう!」



すると柳宿がささっとこっちにやってきた。



「探偵さん!私、探して欲しい人がいるんです。さあ、こっちへ!」



「ぬりっ…!?わ…分かりました。では、小さな探偵さん達、またね!」



名前がいなくなると、子供達はこう言った。



「あのお姉ちゃん引きづられてたよ。弱いね」



子供達の中では名前は、探偵さんではなく、『弱いお姉ちゃん』になっていた…



そして『弱いお姉ちゃん』こと名前は…



「ちょっと!なんで邪魔したの!?」



「邪魔なんかしてないわよ。ちゃんと依頼人っぽくしたでしょ」



「依頼人っぽくすればいいって訳じゃない!しかも引きづるなんて!」



「そんなに嫌だったなら止めれば良かったじゃない」



「人並み外れた力を持つ柳宿サマを止めるなんて無理に決まってるでしょ!!!」



「柳宿サマを止められないなら文句言わないことね」



なっ…!?自分で『サマ』って…



「星宿様!鬼宿が見つかりそうです」



柳宿に手柄を取られた…w



「おぉ!良かったではないか!」



食事を済ませて、また子供達の所へ行ってみた。



「あっ弱いお姉ちゃんと強いお姉ちゃん!…あれ?もう一人お姉ちゃんがいる!」



星宿を女だと思い込んでいるらしい。



「私は男だぞ?」



「そーなの!?お姉ちゃんにしか見えない!」



「まぁ私がそれだけ美しいと言うことか!やはり、子供は素直だな!」



ちょっと星宿さんナルシ…



しかも…弱いお姉ちゃんと強いおちゃん…?



思い当たることが1つ。



子供達の前で柳宿が私を引きづった…



悪影響だ…!なんてことをしてくれたんだ柳宿はっ!!



「そーいえばねぇ、さっきお兄さんいたよ」



「どこに行ったか分かる!?」



「あっち」



「私の名前は名前。次会えた時には名前覚えてて欲しいな!」



子供達にそう言うと、柳宿にしか聞こえないぐらいの声でこう言った。



「誰かのせいで、弱い人に思われてたしね」



子供達と別れてすぐ柳宿は言った。



「悪かったわねー全く悪気はなかったのよー」



その言い方は、絶対ある。



近くにいた人に、鬼宿について聞いてみた。



「すみません…鬼宿って人知ってます
か?額に鬼の字がある…」



「お前ら何者だぁ!?」



「星宿様と柳宿様と朱雀の巫女よ」



そこはすかさず柳宿が言ったが、自分に様をつけ、朱雀の巫女にはつけていない…



「それ…本当なのか…!?」



まだ少年のように見えるその人は驚いたように言った。



「もちろん、本当だ」



「信じてもらえないかも知れねぇが、俺が鬼宿だ…」



「あっ貴方がっ…!?」



「これで、信じてもらえねぇか?」



そう言って額を見せた。



あの子供達が言っていたように額に字がある…しかも『鬼』と



「七星士を集めてるんだろう?少し待ってくれないか?」



「はい。いくらでも待ちますから、気にしないで下さいね」



数分後…



「あれ…?早いですね…もう大丈夫ですか??」



「うん。もう話は出来た。心配してく
れてありがとな」
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