パイレーツ
□告白(ゾロ・ルフィ)
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昼間の喧騒が嘘のような、海も凪いだ深夜。
真っ暗な部屋の中。誰よりも一日中動きまわり働いてサンジはいつものようにボングに横たわり、眠りに就く。
他に眠っている男連中のいびきに混ざり、サンジのかすかな寝息が安定してきたころ、普段からは想像もつかないくらいの静かな動作でゾロは起き出しサンジのボングまで足を忍ばせ近づいて行く。
そして枕に散る金色の髪にソッと触れ、それを自分の鼻先まで持ち上げるとまるで慈しむかのように自らの唇へとそれを触れさせた。
「…愛してる」
泣き出しそうな、かすかな声でささやくと名残惜しそうに髪を離し、自分のボングへと身を横たえそして寝ぐされ剣士らしくすぐに眠りへと就くのだ。
サンジは何も気づかないまま。
そしてゾロの眠りが深くなったころに、ルフィはよいしょと小さくつぶやきながら、先ほどのゾロのようにサンジのボングへと近づき、同じようにその金糸を掬いあげた。
「サンジ…好きだ」
この船の船長もまた、剣士と同じ人を愛していたのだ。
おわり
20130721