パイレーツ
□温度差(ルフィ)
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低く呻きながら体を震わせ、ルフィの手の中に白濁を残したサンジが身をよじり逃げ出そうとする。
「なぁ、気持ちよかった?」
そう聞いてみれば瞳を大きく見開きながらポロっと涙をながし、サンジはいやいやをするように首をふる。
「えー、気持ちいいからイったんだろ?」
「るひ…ルフィ、なんで」
「…なにが?だって、お前は俺のもんだろ?サンジも俺にしてほしかっただろ?」
「なに言って…ルフィ、てめぇ」
『サンジ、好きだ』と出会ってからずっと言ってきた。
初めは『はいはい』と相手にしなかったサンジもいつからか『俺も好きだぜ、キャプテン』なんていいながら、みんなには内緒でおやつをおまけしてくれたりしていた。
だからルフィもますますサンジ好きだ、大好きだとますます所構わず言っていたのに。
「だって、サンジがわりぃんだろ」
「…俺が?」
「お前だって俺を好きって言ってたじゃねーかよ。それなのに」
暑い海域に入り、珍しく喉が渇いて夜中に起きた時、サンジのボングが空だと気づきまだキッチンにいるんだと嬉しくて急いで行ったのに。
「おまえ、俺のこと好きなくせにゾロと」
普段は喧嘩ばかりしている剣士を腕に抱き込み見たこともないヤらしい顔をしながらキスをしていたのだ。
「っ―――ルフィ、」
「バカだな、サンジ。あ―いうことしたけりゃ俺に言えよ!」
「違うんだ、ルフィ…ゾロと俺は」
「お前の言う好きが俺と違うんなんてことは、知りたくねぇ!!」
「!!」
床に散らばったままの金髪を乱暴に掴み上げ、こぼれた涙の後を追うようにべろっと舐めあげれば、サンジが息を飲むのがわかった。
それでもこの衝動を止めることはできないままにルフィはサンジの体を拓いて行く。
これからはずっと、俺が守ってやる。
そう言ったルフィのつぶやきに、サンジは小さく震えた。白く滑らかな肌をさらしながら。
おわれ
20130721