パイレーツ

□前略、恋をしました(ルフィ)
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好きで、好きで、我慢できなくて。

きっとルフィなら大きな愛で受け止めてくれるに違いない。 そう自分にいいきかせた。
いつも好きだ好きだと言ってくれるから、きっとこたえてくれるはずだ。サンジはそうひとり期待しながらも、もんもんと悩み続けていた。


限界だった。
ルフィへの恋が愛に変わったのはいつだったか。サンジの中で猛烈な早さで育っていった気持ちはもう抑えきれないほどに膨らみすぎて。誰かを好きになり、ほしくなることはあっても、自分も愛されたいなどと見返りを求めてしまうのは初めてで。
好きだ、と思うだけで涙がでるし、自分の作った料理を食べてる姿を見ればすぐにでも押し倒したくなるほどに。
あとはちょっとの勇気と何かしらのきっかけだ。サンジはそれさえ揃えば、ルフィに好きだと伝える決心はついていた。




珍しいこともある。
小さな島について、いつもなら一番に飛び出していくルフィが船に残っている。
きっと今がタイミングなんだ。日頃のおこないがいいから、きっと神様からのプレゼントに違いない。神様ありがとう。
しかも自分は船番だから、堂々と残ることができるのだとサンジはどこか落ち着かない。
明日は買い物あるでしょ?早めに戻るからね、とナミの笑顔に勇気をもらって、サンジはどきどきと早る胸に手をあて、ギュッと目をつぶった。


みんながいなくなって、ルフィが一人でサニーの船頭にのっているのは先程確認済みだ。
サンジはルフィに飲ませるように、ナミから譲ってもらったミカンを絞り、クラッシュアイスと炭酸を混ぜたオレンジスカッシュを用意した。

そして「がんばれ、サンジ…」と、子供みたいに自分を応援してみた。







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