パイレーツ

□やまないやまい(ロー)
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「黒足屋、俺はもう駄目かもしれない… 」
「うえ、なななんだよ!どうしたんだよ」

唐突に爆睡していた人のボングに潜り込んだかと思うと、ローがサンジに乗り上げて今にも泣きだしそうな顔をする。おかげでボングはぐらぐらといつも以上に揺れている。

「どうしたじゃねぇ。ひどい奴だな、黒足屋。俺がこんなに苦しんでいるのに…まさか気づいてねぇとは 」
「あ?なんだよ、どけよ。わかった、聞いてやるから言ってみろ 」

まだ少し寝ぼけた状態のサンジはだんだんと覚醒する意識の中で回りのボングで眠っている男連中を見回した。ウソップは見張りでここにはいない。
他のみんなは起きる気配もなくぐうぐう寝ているようだ。

「黒足屋…俺を見ろ、お前、ほかの連中が気になるのか?俺より大事なんだな? 」
「何言ってんだよ…頭湧いてるぞ。ほら言ってみやがれ」
「…黒足屋、俺が死んだら、泣いてくれるか?」
「ロー?!どっかわりぃのか、怪我してんのか?」

あまりの告白にさすがに覚醒したサンジがボングから飛び起きてうなだれるローの背中を抱きしめた。

「黒足屋…俺がいなくなったら、…っ俺が、いなくなっても、お前は生きて…っ」
「ロー!!」

サンジは震えるローの体を一層強く抱きしめた。
チョッパーを起こして診てもらわなきゃとどこかで考えつつ、こんな弱い姿を自分だけにさらすということはもう少しみんなには隠したほうがいいんだろうかとも思いながら。

「…てめぇら、何してやがる」

うるさいとでもいうように、どすの利いたゾロの声が低く部屋に響いた。

「ちょっ!!ゾロのばか!!ローが死ぬかもしれねぇのに…っ」
「そうだそうだ!三刀流屋のバーカバーカ!!」

ごそっとボングから体を起こしたゾロは眉間に深いしわを残しながら大げさにため息をひとつついた。

「こいつが死にそうに見えるか?!死神には見えるが周りが死んでも生き残るタイプだろうが。能力者のくせに海の中でも生き残るタイプだぜ。ったく、寝るから静かにしろよー」
「ゾロ!お前なんてことっ?!」
「最悪だ、黒足屋…こいつ最悪だ!!」

ローを落ち着かせるようにサンジはローの背中を撫でてやる。

「ロー、落ち着けよ。な…話を聞かせてくれ?体は、ダイジョブなのか?」
「俺は…胸がくるしくてっ、腹もそんなにすかねぇ、おまけに下半身までジンジンするんだ」
「…なんだそれは…診察したか?チョッパーに診てもらえよ、な?」
「黒足屋…俺は、お前のことを考えると、そうなるんだ。な、大きくなってるのわかるだろう」

そう言うとローはサンジの手をとり、自身の硬立した芯へと持っていく。
されるがままのサンジだったが、我に返り勢いよくローを押しやった。

「ぎゃあ!ざけんなてめぇ何しやがる!!」
「黒足屋、ひでぇな」
「「うるせぇ変態ども!!外でやれ!!」」

うるさくて眠れないのであろう、周りのボングから野次が聞こえてくる。

「三刀流屋うるせえ!!お前がどっかいけばいい!」
「ロー、まさかてめぇ…おおおおお俺のこと…?!」
「何だ?俺は黒足屋が好きだ。アレもしたいしこれもしたい。あんな恰好させたりあんな顔をさせたり、あの声だって聞きたいし俺のもあんなことして欲し…あぁ考え出すと痛ぇっ死ぬ!!黒足屋、助けてくれっ!」
「死ね!!潔く死ね!!ぎゃー、さわるんじゃねぇ!!!!!ゾロ助けろ〜!!」

夜はますます更けていく…。





翌日のチョッパーの診断で、ローの病名は「恋の病(変態)」と判明したが、直す手立てはなにもなかった。










おわり
すいません…
 

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