パラレル

□友達の話(ウソップ語り)
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友達の話をしようと思う。


俺には何人かの友達がいる。
挨拶をするだけの友達、目が合えば会釈するだけの友達。
そして、それ以上に特別な「仲間」と呼べる友達もいる。

その中の一人の、ゾロの話をしたいと思う。

こいつは顔は恐ろしく悪そうな顔をしているが、整った顔と恵まれたスタイル。
一般的にかっこいいようで「ゾロくんクールで素敵」なんて女子の間でも人気があるのは知っている。
特別女好きなわけでもないけど、来るものは拒まずなこのゾロは、誘ってくる女とはすぐに寝てしまうような軽い部分も持っていた。

それでもゆるぎなく凛としているゾロは誰からも憧れられるような男には違いない。

もちろん中にはそんなゾロを最低な奴だと敬遠するやつもいたが、本質がいい奴だったのでゾロとちゃんとつきあっている人間は注意をしつつも「ゾロだから」とどこか仕方ないなと言う気持ちで見守っている感覚だったのかもしれない。




ゾロは剣道の特待生として県外からやってきたので、親元を離れて一人で暮らしているのだが朝が弱くて必ずといっていいほどに遅刻をしてくるのだ。

俺が一年の時から一番仲良くしていたため、そのときの担任からゾロの弱い部分をフォローしてやってくれてと…つまり朝起こしてやってくれないかと、頼まれていた。
そしてそれを実行してもう一年も続いているもんだから、自分を誉めてあげたい。


朝から10回ほど電話をかけてやれば大抵起きるが、それでも応答がない時なんかは死んでるんじゃないかと心配で朝から押しかけては寝ぐされてるゾロを優しく(朝はとてもゾロは機嫌が悪くて怖いので)起こしてやったりしたもんだ。


「わりぃな、ウソップ」


起こすたびに何度もそう言って笑うゾロが、なんだか「俺が育ててる」みたいな優越感さえ抱いてしまいそうなくらいに可愛く感じた。












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