アニバーサリー

□あげる(2013ロー誕)
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「はっ、はっ…」

ギシギシとベットのきしむ音がいやに耳にうるさく感じる。
自分の呼吸音がどこか遠くから反響している感じがして頭がぼうっとしているようだ。

「ああん、あっ」

かわいらしく高い声。その声に促されるように少し乱暴に腰を打ち付ければ腕の中の小さな体がブルリと震えて一層の締め付けに快感が持っていかれそうになる。
サンジはその小さな体に優しく触れて、ピンク色に染まったその頬に指を這わせ、続いて唇を合わせた。



最近ではロー意外とはしなくなったこの行為。
腕の中の存在は柔らかくて気持ち良くて触れてるだけでも感動で涙が出そうになる。それなのに心はバキバキと壊れていくようだった。

「素敵よ、いいの…」

中に出して、そう言われて戸惑ったのも一瞬で。
久しぶりに触れた女の子の体は思った以上に気持ち良くて、目の前の体に夢中になった。それでも細くて小さな子の体を壊してしまうんじゃないかと恐怖に似たものを感じながら。
手のひらで優しくその乳房に指を這わせて先端を唇で吸い上げながら彼女の中から少し引き抜いたものを一気に奥まで押しやった。それを数回繰り返せば一層の締め付けにどこか安堵する。

「あんっ、あっあっ、いっく…ぅ」

小さな体をふるふると震わせて、腕の中の彼女は達したようだ。
女の子がいったことで、彼女の中が収縮し直接の刺激を与えられてサンジも後を追うように彼女の中に性を発した。








「お前が女を抱いているところを見てみたい」
「は?」

ローに「誕生日何がほしい?」って聞いたら、その返事がそれだった。

しかもご丁寧に奴は、誕生日当日に高級ホテルと本当に女の子まで用意してきた。
サンジはと言えばローに対して「誰だ」とか「何考えてるんだ」とかさえ言えないまま、腹立たしいやら情けないやら。

頭にきて、名前も知らない女の子を抱いた。
「中にいいの」なんて言われて、あり得ないくらいに興奮しながら、恋人であるはずのローの目の前で。ベットから離れた場所のソファーから、何も言わないままジッとローの視線を感じたままに。








「どうだった。気持ちよさそうだったな」

何処の誰かも分からない彼女は事が終わると「素敵だったわ。また、遊んでね」なんて言い残してホテルの部屋から出て行った。

「サンジ?」
「…ばかやろ、てめぇ…こんな、こんな」

何か大切な物を失ったような喪失感。
なんでかわからないけど、胸が痛くてお腹が重くて。
女の子にも申し訳なくて、ただただ涙が止まらない。

「サンジ、誕生日プレゼントありがとう」

サンジの裸の背中を、服を着たままのローに撫でられて、とうとう嗚咽までがもれだした。

「ばか、ローのっばかっ…やろ…っ」
「ああ、悪かった、もう泣くなサンジ」

ギュウと、音が聞こえるくらいに抱きしめられて、サンジは背中にローの唇を感じた。
そのままお互い動けずに、そして何も聞けないまま…何の音も聞こえないくらいにどんどん深いところまで落ちていくような感覚。

「サンジ、愛してる」

ぽろぽろとこぼれる涙がシーツを濡らして、いつかこの部屋は海になってしまうんじゃないかとサンジが思うほどに。
ローに抱きしめられながら、憎しみでいっぱいだった気持ちがほだされていくのがわかるけれど、いつか自分はこのローという男に頭から丸ごと食べられてしまう日が来るんだろうと未来を感じた。

「サンジ」
「…誕生日、おめでとう」

早く食らいつくしてくれたらいい。きっと恍惚の表情で自分はその日を迎えるんだろうとサンジは泣きながらもうっすらと笑った。






ロー、てめぇは俺の何が欲しいんだ。
















「あげる」おわり

ありがとうございましたー!!

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