パイレーツ
□名前をつけて(ゾロ)
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俗に言うピロートーク。
男同士であり、ましてや恋人でもない二人に色気なんてあったもんじゃないが、ベットに座り煙草を吸うサンジを、横になったまま見るゾロの目が好きだった。
すぐにベットを出ていくタイプだと思っていたのに、ゾロは初めからずっとサンジが先に出ていくまで傍にいてくれた。
長いこと続いているこの関係で、今でもそうしてくれている。
「なぁなぁゾロ、セックスフレンドってやつ?」
「あぁ?俺たちがか?あぁ、そうかもな…仲間でセックスフレンドか」
「ああ、すっげー卑猥じゃねぇ?」
サンジが口から吹き出すタバコの煙をゾロは目で追うと、いつもだんだん眠くなってしまうようだ。
まして陸に下りて、久しぶりにベットで過ごせているのだから。
そんなゾロを見ていると、ついついサンジまでが睡魔に襲われてしまう。
タバコを灰皿に押し付けどろんとゾロの横にもぐりこみ、ごしごしと瞼を擦った。
すると「やめろ、目が傷つく」と、ゾロがサンジの手にそっと、自分の手を重ねてくれる。
「ん〜だって、ねみぃ」
「わかったから、目こすらね―で寝ちまえよ。たまには俺より先に寝てみろ」
「…ん〜でも…」
「でも?」
「……」
「あ?」
「…」
目を閉じたサンジを見ていれば安定した寝息が聞こえてきてゾロはクスっと笑い、サンジの体を抱きこんだ。
そのままサンジの耳にかかる髪に手を伸ばして掬ってパラパラとこぼし、また掬ってはこぼしていく。
何度も何度も飽きることなく繰り返す。
「セックスフレンド?…そんな言葉に逃げてんじゃねーぞ」
発せられた言葉とは違い穏やかなゾロの表情を、眠るサンジは知らないまま。
おわり
20130725pixiv掲載