dream long

□第1章
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調査兵団の全団員が集まった。
おそらく要件はあのことだろう。



「わざわざ集まってもらって悪いな、紹介したい人がいるんだ」



出てきてくれ、そのエルヴィン団長の声の後にカツッカツッと普通のブーツではない音が聞こえてきた。


いわばハイヒールの音だ。



「服装はしっかりしてくれと言ったはずだが?」



「靴だけは勘弁してくださいよぉ、他は直したじゃないですかぁ。」



語尾を伸ばす特徴的な喋り方で出てきたのはスラッとした中性的な印象の人。
片目は眼帯で覆われている。

筋肉はなさそうに見える。



「はぁ、君は。自己紹介をしなさい。」



団長に促されるまま真ん中に立つ。
少々めんどくさそうな顔をしながら仕方なく諦めたように話し始めた。



「えーっと、これ何話せばいいんですかぁ?」



「名無しさん、」



「あー、はいはい、分かりましたよぉ」



片足に体重をかけてたっていた体勢を直してその女の人は綺麗な敬礼をした。



「前調査兵団兵士長、名無しさんだ。これからはリヴァイ班配属となる。
初めて顔を合わせる兵も多いだろうが、よろしく頼む。」



凛々しくたくましいい声が木霊した。
おぉ、と圧巻の声を上げる者や、外見からは想像できない女性らしいハスキーボイスに驚く者もいた。


皆、思い思いの言葉を上げている。



「なぁアルミン」


エレンは俯きながら僕に訪ねた。


「どうしたの?エレン」



「あの人はどんな人なんだ?」


唖然とした、まさかエレンが知らないなんて思いもしなかったから。


「エ、エレン知らないの?」



「ミ、ミカサは「知っている」なんでだよ!!」



そのエレンの発言にミカサはカッと目を開いてエレンを見た。



「なんでって知らないわけがない、あの人は最初の人類最強で「わ、わかったから落ち着けって!!」、」



エレンはミカサを宥めながら目線は名無しさん兵ちょっ・・・名無しさんさんに向いていた。



「エルちゃん、こんな感じでいいですかぁ?なんかみんな既に聞いてないみたいだから私部屋に戻r「誰が戻っていいと言った、この家畜」家畜じゃないですぅ、」



「うるせぇ、お前に休んでいいとは誰も言ってない、今から訓練だ。」



「えぇ、いつから私に偉そうな態度取るようになったのぉ?」



「黙れ、いいからこっち来い、まずはその靴の邪魔なヒールへし折ってからだ。」



「やだぁ!!これ特注なんだよぉ?!」



「知るか、規則破るお前がいけない、いいからこっち来い。」



腕を引っ張って連れて行かれる名無しさんさん。
その腕を引っ張ってるのはリヴァイ兵長。





その身長差、ヒール含めて23cm。



素晴らい身長差だ。



「エルヴィン、もういいだろ。こいつ借りてく。」



「ああ、もう用事は済んだ。」



「えっ、エルちゃん!!止めてくださいよ!!」



「その呼び方はしない約束しなかったかい?名無しさん」



「あ、」


ちょ!!痛い痛い!!!と叫びながら兵長に連れて行かれる名無しさんさん。

はぁ、とため息を吐いた後にエルヴィン団長が口を開いた。



「彼女は名無しさんという、先程彼女が話していた通りリヴァイが兵士長になる前の兵士長だ。
事情があって少しの間休養していたが今日から活動を再開することになった。
だが、見ての通り彼女の右目は既に使い物にならなくなってしまっている、正確には見えるが彼女自身が見せるのを拒んでいる。
片目が見えない状態で分隊長などの役職につけるのは適切ではないと判断し、面倒を見るという条件付きでリヴァイ班配属になった。
リヴァイ班共に調査兵団諸君よろしく頼む。」



「「「はっ!!!!」」」





一体、何を頼むんだろうか。
不信感共に不安感は降り積もっていくばかりである。



団長は意味深な言葉だけを残して壇上から降りた。


各兵士は解散していく。
そこに残ったのは僕たち新兵だけである。



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