dream long

□第3章
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「ほら!!!名無しさんいっぱい呑んで!!」


「いや、待ってハンジ私お酒呑めないの知ってるでしょぉ?」


「知ってるよ!!ねぇ!!リヴァイも呑んで欲しいでしょ?!」


「・・・・・・・・・勝手にしろ」


「止めてよぉ!!!リィ君!!」


「あははっ!!!何その呼び方!!!リヴァイそんな風に呼ばれてたの?!」



机をバシバシと叩きながら爆笑するハンジ越しにこちらを睨むリヴァイが見える。


射殺されそうだと密かに名無しさんは思った。



名無しさんの歓迎会と題して行われている飲み会。
お酒を呑めない新兵をよそに成人を過ぎた兵士たちは騒ぎまくっていた。


そんな中ハンジとリヴァイ、名無しさんでカウンターに座って呑んでいた。
明日は一般兵士は休みだが、上官にそんな休みなどない。

リヴァイとハンジは明日も仕事があるのにも関わらずガンガン呑んでいた。




「名無しさん、後で部屋に来い」


「や、ヤダァ!!」


走り出して酒屋から逃げようとする名無しさんを捕まえて今度はリヴァイの隣に座らせる。

ハンジは既に酔い潰れて机に伏せている。
これを連れて帰るのはおそらくハンジの部下だろう。



「リィ君怖いよぉ・・・酔い過ぎぃ」


「見ろ、まだ一本しか開けてねぇ」


「いやぁ!!一本って結構なものだと思うけどぉ!!!」


「というかその呼び方やめろ気味が悪い」


「えぇ、だって抜けないんだもぉん癖ぇ」



リヴァイはカウンター越しにいる定員にもう一本、それともう一つグラスをくれ。といった。



「えッ?もう一つグラスぅ?誰が呑むのぉ?」


「お前だ、家畜」


「お、ランクアップしたぁ!えへへっ」


「なに家畜で喜んでんだよ、気持ちわりぃ」


「雌豚よりましだもぉん」


「次は人間を目指せ、家畜」


ドンッと目の前に置かれたグラスにはかなり強い酒が注がれている。
こんな物呑んだらぶっ倒れるのは目に見えている。

分かっていて呑むバカは居ない。



「ん?リィ君?」


「呑め」


「はいぃ?!私が呑んだら面倒なのはリィ君だよぉ?!」


「呑め、兵長命令だ」


「よっぽど酔ってるでしょぉ、呑みすぎは良くないよぉ」


「黙れ、」



リヴァイはグラスを持って名無しさんの口に無理矢理持っていく。



「ングッ・・・」


「ほう、避けようと思えば避けれただろう、なぜ避けない」


「なんか、殺気を感じた・・・から・・・」



入っていた酒を全て呑み干してしまった。
それから少し後、目は据わり口はだらしなく開き頬は少々赤い。


机に突っ伏しそうになっている名無しさんを自分の肩に頭を預けさせるリヴァイ。



「机に寝るな、汚ねぇ」


「ふへへっ、リィくん優しいねぇ〜」


「黙れ、犯すぞ」


「ここではヤらないなぁ〜、でもリィくんの腹筋見たいなぁ〜、ふへへっ」


「その気持ちわりぃ笑い方どうにかなんねぇのか」


「ふへへっ、ごめぇん、ねぇリィくん、ちょっと腹筋触らせてよぉ〜」


「お前が訓練を懸命にやればな」


「ほんとぉ?!がんばりゅぅ!!ふへへっ」



気分を良くした名無しさんはリヴァイの腕に絡まる。
後ろを向かなくても分かる程に他の兵士の目線が痛い。


「良いのか、お前」


「ん〜?なにがぁ〜?」


「・・・・・・・・・なんでもねぇ」




涙を流しやけ酒するやつ、ひたすら泣きじゃくるやつが多かった夜だった。




案の定ハンジを連れて行ったのは部下で、リヴァイは名無しさんを担いで、
後から来たエルヴィンと共に夜道を歩いた。




月は満月だ。




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