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□ご馳走様
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地面にうずくまっている私を、上から日向が見下ろす。手には私が手に入れるはずだった遺産を持って
「残念だったね名前。遺産が手に入らなくって」
ニヤニヤと笑っているのが声で分かる
「そんなこと言うなら、今貴方が持っている遺産、返しなさいよ・・・ハアハア」
実を言うと、もう私の寿命は残り少ない。今までは神の力が小さい遺産を手に入れて自分の寿命をのばして来た。今日はこの場所に遺産があると聞いて来たのだが、とんだ誤算が2つあった。それは――――――
「それじゃあさ、俺の彼女になってよ」
今私に告白した男の日向が知っているということ、私の烙印の発作がいつもより早く始まったことだ。ちなみに日向は何故か私に惚れたらしく、会う度に告白してくる
「そんなの・・・絶対に、嫌よ」
私は考える。コイツからどうすれば遺産が奪えるのか。今の状態で闘えば、私の負けは絶対だ。それなら油断をさせて奪うしかない
「そっか、それなら君にこの遺産はあげられないね」
そう言って日向は私の上の服のボタンを片手で器用に外した
「貴方・・・何する気?」
「ちょっとね」
私の烙印のある場所に日向は手を置いてよく分からないことを言った。その瞬間、少しだけ私に痛みがきた