Book **

□おやすみ
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「寝ないの?」『寝たくないの』

やりたいことはたくさんあるのなんて言う君は眼鏡をかけてブランケットにくるまりながら本を読んでる。

昨日はDVDを見てて、その前は雑誌をめくってた


「どうして寝たくないの?」

君の隣に言って聞いてみた。


ねぇ俺にも教えてよ。
なんだか君、毎晩一人で楽しそうなんだもん、ずるいよ。

キラキラの幸せ、見ちゃダメって、独り占めされてるみたいでちょっと羨ましいんだ


『お日さまが出て来て暖かくて、夕焼けが少し切なくして、
お月様と星が綺麗に光って、明け方カーテンの隙間からお日さまの光が顔を出すでしょ?』

読んでいた本に君の好きな猫のしおりを挟んでパタンと本を閉じて教えてくれた


『眠っちゃったら感じられないこと、たくさん感じられる気がしてなんだかもったいないの。』

「でも眠いでしょ?いつもより目が、とろんてしてる」


思い出したかのように子猫のするような小さな欠伸を一つ。

「今日はもう寝よ、一緒に」


一緒に入ったベッドの中。俺の胸にそっと抱き寄せ腕の中に包み込めば、至近距離で俺を見つめる君を見つけた


「今度二人で一緒に夜更かししよ?」
額に優しくキスを。おやすみ



Fin.

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