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□好きなんていらない
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「夕焼けは悲しくなるよね、寂しくて切なくなる」
あなたの隣で夕焼けを見るといつも少しだけ繋がれた手に力がこもった

何も言わずにあなたの肩に頭を乗せれば優しい口付けが舞い降りる。夕焼けのキスは昔から、わたし好きだったのよ


会おうと思えば会える距離。作ろうと思えば作れる時間。ベタベタしたい私たちじゃなくて。
年末年始にテスト。それと1回喧嘩したんだったね

最後に会ったのはクリスマス。最高のデートをくれて幸せはいっぱいで、きっとあなたに愛をもらいすぎたんだわ
会わない間に声を聞いた、たった1回の電話も、酔って翔太からかけてきた電話だったね

翔太と一緒に過ごしてもうすぐ1年半
陽だまりみたいに暖かくて柔らかい。特別じゃないけど優しい時間はすっかり2人の当たり前になって…
大切だけど執着しない。似たもの同士の私たちの間に自然とできた空気に、今回はすっかり甘えすぎてしまったね


たっぷり勉強してカフェを出たらもう夕方。明後日のテストはなんとかなりそう
昼間は暖かかったのに夕方はこんなに寒くなるのね、くるりと巻いたマフラーに顔をうずめて夕暮れの空を少しだけ覗いて見たの

『ねえ翔太、このあとご飯行かない?』

夕焼けは誰かに会いたくさせる。寂しいからじゃないよ、一緒に隣を歩きたいの


電話も好きも約束もいらない
愛おしいあなたのぬくもりだけ、忘れず持ってきてね

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