長編
□隣の、きみ
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季節は夏。
変わらず暑い日々が続く。
『あーつーいー…』
私が机で暑い暑いと連呼しながらうなだれていると、
パシッと頭を叩かれた。
『痛ッ!』
バッと顔を上げるとそこに、私のひそかな思い人(といっても何故か結構広まってる)、泉がいた。
「暑い暑い言うな。余計に暑くなるだろ」
『だからって叩くなよー…』
「何度も言うからだろ」
『へーへー、すいませんね』
まったく、と私の隣の席に座る。
「あー、あちぃ」
『テメェも言ってますやん』
「あ?」
『なんでもねっす』
危ない危ない。
コイツ怒らせると面倒だからな…
とはいうものの、なんだかんだ…
好きだったりなんだりしちゃったり…
野球やってる時とか、授業に集中している時とか…
超、カッコイイんです…。
でも、なかなか言えないという…
大好きなんです。泉くん。
(言えないんだよね…)
(何を?)
(べつに)
(?)