泉孝介

□熱い夏だからこそ
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熱い。


熱い、熱い。




『あっつーい!!』




「あー!うるせぇな!」





『ぬぉっ…!』




……怒られた。


…孝介に、怒られた。


『だって、熱いんだもん…』


「ふーん…」




『……冷たっ』



「…で、何?構ってほしいわけ?」




『はあ?そんな事言ってないけど…』




孝介はニヤリと笑って、



「だって、さっきからわざとらしく熱い熱いって…」



『熱いから言ってるだけですケド』





「分かってるよ、んな言い訳しなくても…」



『エ、ちょっ…むぅん…っ』



深く重なる、それ。



『ん、んんーっ!!』




何とか逃れようと孝介の胸を押すけど、


さすがは野球部。



そう簡単には逃がしてくれない。



それどころか、グイッと押されて、床に押し倒される。






孝介の舌が歯列をなぞって、力が抜けた。



その隙に、私の舌が絡めとられる。





いやらしい、粘着質な音が聞こえて、体がブルリと震えた。




私は孝介に、欲情している。









結局、いつもこうなる。



孝介が半ば無理矢理キスしてきて、最初は嫌がる私だけど、


なんだかんだ、まんざらでもなくなる。







『こ、すけ……』





愛おしいきみの名前を呼ぶ。


きみは、ふっ、て笑って、シャツを脱ぎながら言うんだ。














「はっ……、あちぃな…」



って。






熱い夏だからこそ




(ん…熱い、でしょ?)


(おー。……オマエも、脱がしてやる)



(え、け、結構で……って何ボタン外してんの!?)




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