泉孝介

□居残り、きみと二人
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今月何度目かの居残り勉強。



宿題の一つや二つ、出さなくたっていーじゃんか。



けちだな。













『…先生はどっか行っちゃうし。…わかんないじゃんかよー…』





ガラッ





「…何、居残り?」




『………泉』




最悪なのか、喜ぶべきなのか。



ここで突然、私の好きな人が入って来た。


放課後の教室っていう、絶好のシチュエーションで、先生が居ないという、絶好のタイミング!



しかも思春期真っ只中!!


ドキドキ、うっふんな予感……!何かあってもおかしくないぞ!?












「何ニヤついてんだよ、気持ち悪い」



『泉という、心のオアシスに会えたからー』






はぁ、とため息をつくと、



わかんねぇとこ、教える。と、隣の席に座った。




『あら?私のために?いやん、嬉しい〜っ!泉大好k「いいからさっさとやれ」




抱き着こうとした私を制止させ、ノートを叩く。




『じゃー、ここ出来たら私と付き合ってくれる?』



「は?それは全く関係ないだろ」



『えー…、じゃ、ちゅーして?』




「意味わかんねぇ」



『じゃあじゃあ、私と一夜を共にしt「速攻死ね」



『毒舌泉………えへへへ…』



「きっも」













なんだかんだ言いながら、最後まで教えてくれた。


優しい、泉。





『泉、ありがとうね』



「まぁ、暇だったしな」














一緒に正門まで行って、バラバラに帰る。




…いや、帰ろうとした。





けど





















「おい、ちょっと待て」



『なぁに?』



ちゅっ












小さなリップ音が、耳元で聞こえた。



『…い、ずみ…?』




「頑張ったご褒美」




『な、な、な…』



「っ……!お、お前がほしいっつったんだろ!」



『ぇ、と…う、ん』



「…付き合って、やる」





『……!』



『泉、大好き!!!』





抱き着いた私は、泉によって止められる事は無かった。









これからも、ずっと。






























…………たぶん。






〜end

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