好きと言えたら
□再再会
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それから何日か過ぎたある日の事…
中学時代の友人マイとユリに久しぶりに会う事になったウララ
ユリ「えぇぇぇ!?高尾に会ったっ?!」
マイ「ちょっとっ!!ウララちゃん!!それどーゆう事っ?!えっ?!なら高尾くんと喋ったのっ?!」
真新しいブレザーにリボンとすっかり身なりは現役女子高生となった三人…
そんな三人は女子校生の定番とも言えるファーストフード店にて和気あいあいとトレーを並べ話す中、ウララのとある一言から衝撃を走らせる二人…
ウララ「うん…あっ…でも、会ったって言っても少し挨拶を交わした程度だけどねぇ?」
顔をしかめて話すウララにマイは記憶を辿る様に視線を浮つかせ話す
マイ「なら中学時代の〜…あの事件以来だから〜…相当久しぶりに話した感じだよねぇ?」
ウララ「まぁ…そうだねぇ」
ユリ「高尾元気だった?」
ウララ「元気だったよっ?少し背も伸びてて雰囲気も前とは少し変わってたかなぁ?」
思いの他、抵抗感なく淡々高尾の話題を口にするウララだが、何処かやり切れないムードの二人は妙にしんみりとする
ユリ「…そっかぁ…」
マイ「…へーえ…」
そんな二人を前にウララは何処と無く寂しそうな笑みを浮かべ穏やかに語った
ウララ「雑誌でも見たんだけど、高尾くん秀徳でも結構活躍してるみたいでねぇ?この間も…久しぶりに顔を合わせた時も凄く充実した顔をしてたよっ…今は大好きだったバスケにちゃんと打ち込めてるんだなぁって感じてねぇ?それで私、ちょっと思っちゃったんだっ…」
ユリ「思っちゃった?何を??」
首を傾げて話を聞き返すユリにウララは微笑した
ウララ「多分それは、私が秀徳を選んでいたら無し得ない事だったと思うなぁ…ってねっ?それにあの時の私は本当に高尾くんの事しか頭に無くて…先の事なんか微塵も考えてない程、幼稚だったけど、でも今はこうして聖ノ学園を選んでおいて良かったって思うっ…ピアノも本格的に学べるし、友達だってそれなりに出来てねぇ?思ったよりも凄く充実してるし順調だよっ?」
そう落ち着いて話すウララの横顔は、かつてのあどけ無さは薄れ、下ろしたサラサラのロングヘアーはより一層大人びて見えた
ユリ「…そっかぁ…」
マイ「…ウララちゃんが、そんな風に吹っ切れてるならいいけど…でもなんか…ちょっと残念だなぁ…」
ウララ「残念…??」
微笑な雰囲気の中マイは煮え切らない表情を浮かべ答えた後、ゆっくりと当時の想い出を語る
マイ「私ねぇ?正直中学の頃、二人に憧れてたんだぁ…二人の関係ってなんか周りが太刀打ち出来ない程に特別ってゆーか…あの男嫌いだったウララちゃんを負かした高尾くんはウララちゃんにとっては本当、救世主みたいな存在でっ…運命って言葉があるなら、きっとそれはっ、この二人の為に存在するんだぁ!なんてぇ…勝手に思っちゃってたんだよねぇ…」
ウララ「運命なんてっ…大袈裟だよ?マイちゃんが思ってる程そこまでロマンチックな関係でもなかったしねぇ?」
やや呆れた様に笑うウララに突然、マイは勢い良くテーブルを叩くなりムキになって話す
…バンッ!!…
マイ「そんな事ないっ!!めちゃくちゃお似合いだったもんっ!!そのっ…確かに付き合ってるって訳じゃなかったけど…でもっ!二人はいつも互いを優しく想い合っててっ!!私の中ではすっごく!理想の二人でっ!!なのに…なのにこんな形で離れ離れになっちゃって…なんか今はお互い、まるで他人行儀みたいでっ…なんてゆーか…うっ…!上手く言えないけどっ!!やっぱり!!こんなの間違ってるよっ!!!」
薄っすらと瞳を潤せ悲しみと悔しさと露わにするマイに言葉を失う
ウララ「……」
するとそんなやり取りを黙って聞いて居たユリが意を決し言葉を口にする
ユリ「ウララ…正直今のアンタに高尾対する想いを問う真似は、さすがにしないわっ…でも…少しでもやり残した事、伝えたかった事があるなら…確かにこのまま終わりにしちゃダメだと思う…」
釘を刺すユリの言葉にウララの胸はジリジリと痺れた
ウララ「……」
するとユリはそんなウララの反応を確かめた後おもむろにメモを取ると、それを破りウララへ差し出した
ユリ「これ…高尾の携帯番号…もし高尾に対して後悔があるならさぁ?話してみたら?あれから随分時間はだったし、いい加減もぅ事項でしょ?」
ウララ「……」