好きと言えたら

□嫌いな自分…
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「おはよー」


登校時刻の校舎の校庭には生徒達の賑やかな声が響いていた



スタスタ‥


矢田「おはよー!!」


校門をくぐり抜けた辺りから矢田が高尾へ声を掛けた


高尾「よう!」

矢田「高尾!お前昨日の課題やった?!」

高尾「はぁ?課題?」

矢田「ほら!数学のやつだよ!あれ今日までだろ?!」

高尾「やっべ!すっかり忘れてたぜぇ」

矢田「なら高尾も居残り組だな!俺も仲間仲間〜!ハハハ〜」

高尾「マジかよ?!俺部活あんだけど!」


すると矢田は高尾が手にしている傘を不思議そうに見つめ問い掛ける


矢田「なぁー?なぁー?さっきから思ってたんだけどその傘はなに?!それお前の趣味?ハッキリ言ってすげぇ似合わないぞ?その傘」

高尾「俺のじゃねーよ!!普通男がこんな傘チョイスしねーから!!」

矢田「んじゃ誰の?」

高尾「いや、実は昨日さ?俺傘わすれちまってよーんで借りたんだわ」

矢田「まさか…女子にか?!女子になのか?!どこの女子だ?!」

高尾「何でお前がんなテンション上がってんだよ!!なんかウゼェーから…ってかこんなメルヘンな傘普通女子しかもたねぇっしょ?」

矢田「確かにそうだな…で?誰?誰?」

高尾「二組の春野だよ」

矢田「なぁ〜んだ!二組の春野かぁ〜!!って…」

矢田「二組の春野!!??」

高尾「うるせぇーよ!!」

矢田「お前!!まさか春野と喋ったのか?!」

高尾「あ?まー話たぜ?けど話たっつても背中越しにだし顔も合わせてねぇけどな?」

矢田「へーえ…信じらんねぇ…あの春野が男子と…でもいいな〜!羨ましいぜ〜!」

高尾「そーか?」

矢田「多分この学校で春野と話た事あるの高尾だけだぞ?!顔合わせなければオッケーなら俺も今度背中越しに声掛けてみようかな〜」

高尾「俺だけ…?」


自分だけというその言葉にウララの笑顔を再び思い出した高尾は妙な優越感を覚えた‥
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