好きと言えたら

□ラッキーアイテムとキーパーソン
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繁華街にあるとあるお店…

ここにとある人物がとある物を求め訪れていた…


緑間「…確かこの店に、明日のラッキーアイテムであるニンジンをくわえたウサギの縫いぐるみが売っているとの情報なのだが…どういう事だっ!!いくら探しても全く見当たらないのだよっ!!」


そう言い一際は殺気立ったオーラを放ち店内を散策するのは緑間だった


緑間「わざわざ遠回りをしてまでこの店に足を運んだと言うのに…!これでは、くたびれ儲けではないかっ!!」


険しい表情で店を出た緑間と鉢合わせになるようにピタリと足を止めた一人の通行人


「あれ…もしかして…緑間さん?」


その声に気付いた緑間は振り返ると予想以上に小さい位置に佇むウララの姿がそこにはあった


緑間「お前は…確か…」


ウララ「こんにちは…」


控えめに挨拶を交わすウララを見下ろした緑間は丁寧に言葉を返す



緑間「この間はドーナッツを譲ってもらい大変世話になったのだよ」


ウララ「いえいえ…私の方こそ、何だかお騒がせして…すみませんでした…」


そんな会話を交わしたのち、何となく間が持てないムードに気を利かせたウララが話を振る


ウララ「えっと…ところで緑間さんは、こんな所で何をしていたんですか?」


緑間「あぁ。実は明日のラッキーアイテムであるニンジンを咥えたウサギの縫いぐるみを求め、この店に立ち寄っていた所なのだよ」


何の躊躇いも無く堂々と話す緑間の話にウララは首を傾げた


ウララ「ニンジンを咥えたウサギの縫いぐるみ…ですか?そう言えばこの間もそんな事言ってましたよね?あの…ラッキーアイテムとは…そのっ…一体なんなんですか??」


緑間「オハ朝のラッキーアイテムの事なのだよ」


即答するその答えにウララの疑問はますます湧いた


ウララ「オハ朝って…あの占いの事ですよね??えっと…それで、そのラッキーアイテムを探しにわざわざ??」


そんなウララの疑問に緑間は流暢かつ論理的に語る


緑間「そうだ。俺は普段からバスケにしろ私生活にしろ常に人事を尽くしている…。故に最悪の事態を常に想定し、それらを全て事前に回避すべくこの様にラッキーアイテムを肌身離さず持ち歩くのが俺のモットーなのだよ」


まるで隙を与えない緑間の話に思わず圧倒されるウララは言葉に詰まる


ウララ「…なっ…なるほど…」


そんなウララをよそに更に得意気になる緑間


緑間「ちなみに今日のラッキーアイテムはこのセロハンテープなのだよ」


ウララ「セロハン…テープ…??」


緑間「あぁ。そうだ」


そう言い手乗りサイズのセロハンテープを自慢気に見せ付けてくる緑間の姿が妙に滑稽に思えたウララは耐えきれぬ笑いを溢した


ウララ「クスクスッ…」


そんな態度に泡を食う緑間


緑間「なっ…!何がおかしいっ?!」


ウララ「いやっ…だって…!クス…セロハンテープって…なんか凄いなぁって思って思わず…!クスクス…すみませんっ…」


お腹を押さえ心底可笑しいそうに笑うウララの姿にやや不快感を感じる緑間だが同時に何故か何処か懐かしい様なデジャブ感にさいなまれた
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