好きと言えたら

□淡い想いと苦い想い
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その後ウララは重い足取りで正面玄関の前に立つ…


ウララ「一応…昇降口で待ってみたのはいいけれど…何て声を掛ければいいんだろぅ…別にいつも通り話せばいいんだよね?はぁ…緊張するぅ…息苦しいよぉ…」


今にも泣き出しそうな顔でソワソワと高尾を待つウララだが一行に現れない高尾の姿にウララの緊張と不安はさらに高鳴った…


ウララ「それにしても遅いな…高尾くん…もしかしてもぅ帰っちゃったのかなぁ…」


次々と下校する生徒達の人並みが徐々に薄れ静まり返った昇降口の辺りをキョロキョロと見渡したその時…

気怠そうに上履きを引きずる音が後ろの下駄箱に響いた


スタスタ…


ウララ「っ…?」



聞き覚えのあるその足音に覗き込む様に振り返るウララ


ウララ「あっ…高尾くん…/」


そこに居たのは待ち侘びた高尾の姿だった…


高尾「あれ?ウララじゃん!何してんの?こんなトコで」


ウララの存在に気付いた高尾は履き替えた靴をトントンっと地面でならしながら声を掛ける


ウララ「あっ…えっと…」


いざ高尾を目の前にしたウララは緊張のあまりつい言葉を詰まらせた


高尾「なに?もしかして誰か待ってたとか?」

ウララ「えっ…?!あっ…うん…そーなんだけど…そーなんだけどね?あのぉ…」

いつも通りな高尾に対しモジモジと身体をうごめかせ言葉を濁すウララ


高尾「なに?トイレ行きてぇーの?ならさっさと済ましてこいよ!」


ウララ「違うっっ/!!」


あっけらかんとデリカシーのない事を言う高尾に更にウララの顔は赤くなる


高尾「へ?そぉ?って…んじゃ何だよ?!さっきからモジモジってぇ!何かすんっげぇ〜俺に言いたそうじゃん?」


ややイラついた様子で話す高尾の視線を逸らしたウララは重々しく口を開いた


ウララ「えっと…/その…/」


高尾「その??」


ウララ「もし良かったら…たっ…/高尾くんと一緒に帰ろうかなぁ…って思ってね…えっと…待ってたの…/」


高尾「っ…?!」


予期せぬその言葉に高尾は目を丸くするし驚いた後ぶっきらぼうに笑って言った


高尾「ブハァ!!っつっか!!俺もそのつもりでウララの事探してたんだけど!?」


ウララ「えっ…?」


高尾「でも二組の教室行ったら誰もいねぇーし、音楽室も閉まってたからさぁ〜。ウララ友達と先帰っちまったのかと思って諦めて帰ろーかと思ってたとこ…っつっか!ププッ!お互い同じ事考えてすれ違ってたとか、なんかウケんなっ!」


ウララ「クスッ…そうだねぇ?」


同じと言う言葉に過剰な嬉しさが込み上げたウララは控えめに笑った

そんなウララの反応に高尾は不適な笑みを浮かべ話始める


高尾「しっかし、ウララって意外と寂しがりやな所あんだな?!」


ウララ「私が寂しがりや…?!え?何で??」


高尾「だってお前、俺が来るまでわざわざ待ち伏せまでしてたんだろ?!何気にすっげぇビビったんだけど!ハハッ!」


ウララ「ちょっと…!別に待ち伏せしてた訳じゃ…!ただ待ってただけだよっ!」


高尾「ブハッ!それ意味一緒だろ!!」


ウララ「クゥ…/確かに意味一緒何だけど…でっ!でも違うっ…!!」


高尾「ハハッ!ったく!ウララは素直じゃねぇーな!本当はちょっと寂しいとか思ったんだろ?!」


ウララが自分の為だけにわざわざ待っていてくれた事が本音は凄く嬉しかった高尾は上機嫌にウララをからかった


ウララ「もぉ…うるさぃ…/」


頬を染め少しムキになるウララに高尾は柔らかく目を細め微笑むと、クシャクシャっと少し乱暴にウララの頭を撫でて言った


高尾「フゥ…そー照れんなって?」


ウララ「もぅ絶対自分からは一緒に帰るって誘わないっ…」


高尾「ハハッ!!」
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