どうか、

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何がどうしてこうなったのか、そんな事は今になってもさっぱり分からない。


気が付けばこちらの世界で生を受け、新たな名を与えられ、祖母だという人物と2人で暮らしていた。





私の名前は名無しさん・名無しさん。


これはこの世に生まれた時に新たにもらった名前だ。


この世とはどこか…。


おそらく、私の頭がとち狂った異常な物でない限り、私の脳の端に残ったこの記憶は前世のものであっているはずなのだ。


そしてその前世の記憶によれば、この世とは某巨人になる少年が夢と希望と絶望を抱きながら宿敵巨人の居ない平和な世界を目指し大暴れ!みたいな、多分そんな様な内容の少年マンガの世界に当たるらしい。


らしい、と言うのも私はまだピチピチの(これは死語?)……、ゴホン。若く幼い7歳児であって、まあ確かに家から見える範囲にかの有名な巨大な壁が見えてはいるが、この世界で最も有名な巨人族の皆様にはお目にかかった事が無いので確信するに踏み切れない現状で。


まあ平和ならそれで良いのだけど。あのマンガの様な事が実際に起きてしまうよりできる事なら一生お目にかかりたくもない。



でも巨大な壁とか建築技術によっちゃ全然余裕で造れちゃいそうだし…。何か他のアニメでもデカい壁に囲まれた生活を強いられていた人々が居た気もする。



とまあそんなこんな、私はうっすらと残る前世の記憶からちょいちょい知識を得たり何なりしながらこの薄汚れた壁に囲まれた世界を生きているわけです。



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