どうか、

□ハンジさんとメイド服
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せっかく作ったのだからリヴァイに着せようと思ったが、彼は生憎エルヴィンと共に出かけている。悩んだ末に、取り敢えず誰でもいいからお披露目しようと昼時で人の集まる食堂に向かう事にした。メイド服をひっつかんでスキップで部屋を出る。


「何処行くんですか分隊長!」


悪いがモブリットの声はまたもやスルーさせてもらった。こうなった私は誰にも止められないぜ!ふううううっ!!!





食堂に着くと知り合いの顔がチラホラ。さて、誰をターゲットにし・よ・う・か・な………うーん、君に決めたぁっ!!!


「ナーナバ!」

「おや、ハンジも昼食かい?」

「は、ハンジ分隊長!」

「やあ、名無しさん。何だか珍しい組み合わせだね。ああ、君も敬礼崩して良いよ」


どうやらナナバは二人の新兵と昼食をとっていたところらしい。一人は私の知り合いでもある名無しさん。もう一人の子は面識が無いけど、どちらも可愛い女の子だなんてやるねぇナナバ!


「そんなんじゃないよ」

「またまたー」

「そうですよハンジ分隊長。私には既に恋人がいますからね」


どうやら名も知らぬ新兵ちゃんは彼氏もちらしい。それは残念。せっかくのナナバハーレムが。



「その代わりに名無しさんならフリーなのでオススメですよ」

「やったねナナバ!」

「いや、だからさっきから何なのハンジ…」


ナナバにまで呆れ顔をされた。ここでもか!ちょっとした冗談じゃないか!さっきから皆してノリ悪いなぁー!


「あの、ハンジ…分隊長」

「ハンジさんで良いよ、名無しさん!」

「あ、はい。ハンジさん。その、手に持っていらっしゃるのは…」

「ん?」


ああ!本来の目的を忘れる所だった!そうそうコレが本題だよ!


「じゃーん!見てよ、可愛いだろう?」



「「「………何故にメイド服…」」」



「あー、この前の新歓でリヴァイに着せるために作ったんだけど、使えなかったからさー。そうだ、ナナバ着てみない?」

「…ちょっと待ってハンジ。今凄い発言を聞いた気がするんだけど」

「え?なに?ナナバが着るってとこ?大丈夫、ナナバなら細いから似合う…」

「そうじゃなくてその前。…というか、細いは言わないでってば。気にしてるんだから」


そんな事気にしてたのかナナバ。良いと思うよ細マッチョ。私は嫌いじゃないぜ。



「ハンジ分隊長…それリヴァイ兵長に着せるつもりだったんですか…」

「生き急ぎすぎだよハンジ」


「…でもナナバさんのメイド服は是非見てみたいです!」

「こら、やめなさい名無しさん」


そこから名無しさんとナナバがじゃれだした。名無しさんの髪をワシャワシャと乱すナナバと「止めてください」と言いながらもどこか嬉しそうな名無しさん。さっきは冗談で言ったが結構お似合い何じゃないだろうかこの二人。


「はい!ハンジ分隊長、そのメイド服を名無しさんに着せれば良いと思います!」


もう一人の新兵ちゃんがピシッと挙手して提案した。ナナバといちゃついていた名無しさんの動きがピタリと止まる。


「いやいや着ないよ…?着ませんよハンジさ…」

「それは良いね!着ちゃいなよユー!」


「ノーー!嫌です!絶対嫌ですよ!着ませんよ私!」

「私も名無しさんの着たところ見たいな」

「ナナバさんまで!?それは卑怯ですよ……でも!き、着ないったら着ないです!」


断固拒否の姿勢を見せる名無しさんの肩をガシッと掴んで顔を近付ける。


「名無しさん、分隊長命令だ」



ニコリ、と笑顔で圧力をかけてやると「パワハラだー!」と言いながらも名無しさんは新兵ちゃんと空き部屋に着替えに行ったのだった。



「楽しみだねナナバ」

「ふふ、そうだね」



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