リクエスト

□あきるん様へ
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あ…ありのまま今起こった事を話すよ!

『朝目が覚めたらナナバさんが分裂していました』

な…何を言ってるのか分からないと思うが私も何をされたのかわからなかった…頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとか(以下略)


「ナナバさん…どうしてそんなお姿に」

「さぁ…」
「真面目にやってきたからじゃない?」


ちょ、何ですかそのネタ!ナナバさんがまさか台詞にネタを盛り込んでくるなんて!今度巨人化したエレンに使ってみよう!

はっ…!ってそうじゃなくて!


「お聞きしますが、どちらが本物のナナバさんですか」

「「どちらも私だよ」」

「えええ…」

「でも…そうだね、敢えて分けるとするなら、私が白で」

「私が黒さ」


白ナナバさんと黒ナナバさん?意味がよく分からない。分からないけれど取り敢えず分かりやすいようにそれぞれ色のシャツを着せてみた。洋服はちゃんと本人(だというナナバさん達)の許可を得て拝借しましたよ。


「さて、主張通りの色を着せてみましたが、」


ああ成る程。何となくだが分かった気がする。白ナナバさんはふわふわで優しい天使な、どちらかと言われればキュートなタイプ。一方の黒ナナバさんはちょっと腹黒、実は影の支配者的セクシーな…


「あいひゃひゃ…ひょ、ニャニャバひゃん、いひゃいいひゃい」

「今私の方だけ失礼な説明をしなかった?」

「ひゅみまひぇん」


どうやら私の説明がお気に召さなかったらしい。黒ナナバさんがその通り黒い笑顔で両頬を摘んできた。イタタである。

ちくしょう。普段のナナバさんならこんな意地悪しないのに。ふとそう思って気が付いた。成る程、成る程。


「何だか分かってきましたよ。白ナナバさんは普段のナナバさんの表、黒ナナバさんは裏。だから普段歯止めになっている白ナナバさんと別々な黒ナナバさんは意地わりゅいひゃい!」

「学習しないね」


再度摘まれた。


「白ナナバさん!黒ナナバさんがいじめてきます!暴力反対!」

「ふふふ、仕方ないな。こっちおいで名無しさん」


避難、避難と。黒ナナバさんの手を何とか掻い潜り離れた所から私達を傍観していた白ナナバさんのもとへ。セクシーナナバさんは素敵だけど痛いのは嫌なのだ。

因みに寝起きドッキリよろしくこの二人のナナバさんに起こされたので私はまだベッドにパジャマ姿だったり。


あ、何か黒ナナバさんがムッとしてる。あれはちょっと可愛いかも。


「贔屓…」

「贔屓じゃないです。痛いのが嫌なだけです。ナナバさんは大好き」

あ!今ちょっと照れた!ナナバさんって実はツンデレ属性も秘めてたりするのか…?…いったいどこまでキャラを極める気ですか。


「そういえば本題に戻りますけど、どうしてナナバさんはお二人に分かれてしまったんですか?昨日まで一人だったのに」

「覚えてない?多分名無しさんが原因だと思うんだけど」

「えっ!私ですか!?」


どどどどどうしよう…!全く記憶に御座いません!こんな言い方をすると何だか悪いお偉いさんみたいだ…いや、本当に私が原因なら私が悪いのだけど!


「うぅーん…?んんー…」

「ヒントは昨日の発言」


昨日…昨日…。ナナバさんの言葉に頭を捻って記憶の棚を漁りだした。




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