わるいこと


□受縛
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 悩ましげな表情で、濡れそぼった下着の横の紐をスルリとほどくと秘部を男に披露した。充血し色香を漂わせながら口を開いている。
 ベジータは不慣れな手つきで、熱い汁をそっと親指に取り、全体にのばしながら、ブルマを見ていった。
「はっ……はっ……はあっ」
 男は、甘苦しい吐息をはきながら、指は傘の周辺をくるくると這い、目前のブルマが頂きに触れる錯覚を覚えた体は、もっと昇る。
 熱い女は、無意識に進む。
 倒した左足に滑る左手が胸を弄るように揉みし抱く。乳首を転がし、柔らかくしなやかに悶えだす。つうと中指を滑らし、赤く色づき潤む窪みにゆっくりと沈めていった。
 あ、と籠もる小声と、小刻みに回す指がいやらしい粘る音を立てている。一本増えればそこから変わる声。滴る粘液も女も、全てが艶めかしい。
「なんてザマだ……くそ」
 にやりと口の端が歪む男の手は素早く動いていた。自らの流動性を手で感じてゆくのか、やや悔しげであった。
 また、ブルマの口から「ベジータ」と出る度に気付かれているのではないかと焦燥感に襲われ、どくどくと鼓動が早くなる。
「んあ!」
 女の指がまた増えた。すると、割目から大きな赤い蕾が皮を突き破るように頭を覗かせ、それを細い指が丁寧にさすり、柔らな熱を辺りに広げる。
 むにゅりと両腕に挟まれたふくよかな膨らみの先は、ツンと上を向き、女は上下を同時に攻撃している。
 なんたる卑猥な姿だと。
「ーーつく!」
 だが、その間も肉柱には、チリチリとピリピリと刺激が走る。手中に伝う活きのいい脈動を感じながら、見てしまうソレ。
 貪欲な女は、どこまでも自己を責め立てた。手首を捻り続けると、ぬめった赤い花びらが四本の指を飲み込み、トロットした透明の液体が蜂蜜のように肌に広がりをみせていった。
「ぐ……」
 思わず男は自分の手を噛み、声を出さぬようにしていた。また、理性をうしなわないように自らを戒める。
 そう、限界に登りゆくために波をいくつも越え、手中の管の盛りように、気迫さえ感じられる。
「っあ……んん……あー!」
 突然、びくびくと痙攣しだすブルマの体に目を向いた男は、背中がそり上がると同時に飛び出す液体を不思議がった。
 が、力無く倒れる艶めかしい脚はただ静か。
 隙間から見える中心は股関節まで愛液を垂らせ、あかく腫れぼったい色を残している。

 ゴクリと唾を飲む。

 濡れそぼるそこに触れたいと思わずにいられない程、匂っていた。熱の冷めた部屋には寝息が響き、前を見ながらゆっくりと近寄ってゆく男。
 涸れた咥内から赤い舌を出す。薄桃色のヒダにそっと先をあてた途端、余韻の残る肉体がぷるりと跳ねた。
 甘い吐息を出してくねる肢体と舌に伝わってくる痙攣は、十分にベジータを刺激した。
 赤く熟れて更に触れてくれと要求するように、口の中で可愛がられてゆくブルマの秘肉は一層柔らかく、良い匂いをさせて誘いにかかる。
 そればかりか、果てた小尾のあたりがゾッと粟を立てたのが、自分でもわかった。
 ――女に対し初めての、ことだった。
 戸惑いもなくこう動き、自らの意志で舌を出し排泄器官へあてがうことなど。こんなことは臓腑相手に生きてきた自分にとって、生理的に無理だとか、嫌悪感があるということはない。ただ面倒なもの――と認識していた。
 なのに、くねらせている。
 この女の行為を見て、本来の雄が目覚め動かしたか。本当に誘われたのか、分からないが。
 生き物のように果敢に動くその器官は、奥壁をちゅくちゅくと音を立ててすう。執拗に、じっくりと責め立てて、彼女を味わい、また極上の快楽を与えてやるのだ。
 唯一、自分を受け入れている女が自らを慰めるように股に指を進めていた事実は、衝撃だった。
 いや、驚愕なんてもんじゃない。屈辱だ。
 それは、俺様では役不足。満たされていないのだと、突きつけられたような瞬間だったからだ。
 ブルマの欲望は己にとって愚弄行為にしか見えなかった。
 勝手に濡れ、勝手にイキ、己の行為とは比べ物にならない程のよがりように、隠蔽された本心を見たのだ……。
「……やってくれるじゃねえか」
 眼下、目にするものの全てにベジータは腹が立って来る。ぎょっとするような赤い肉色にごくっ、と生唾の音が耳奥に響くも、その場が許せない。
(あんな悶えた声など、初めて聞いた――!)
 怪しく近寄ると、ふっくらと弾力のある肉の庭はまだ潤っている。ぐいっと拡げ、真っ赤な蕾を無視し、ひらひらと花弁を重ねる一枚を軽く啄むと、いきなり引き上げた。
「あぅっ!」
 ――女の声が、静かな部屋に響く。
 今までのような甘い声ではない、痛みと驚きを隠せない不安げな声に、もぞりと己の心髄が騒ぐ。
(やはり、俺はこの風合いの声を聴くことを好むらしい……)
 唇でつまんでいたものを、ぱっと放し次は軽く甘噛んだ。
「あぎぃ!」
 妙な声を聴く。
(おおっと、危ない。どうやらここは加減を間違えば、カンタンに咬みちぎってしまう部位らしい)
 息を吸うとアンモニアの匂いが漂っていた。口当たりのよい、とろりとした感触を唇で楽しみながら、肉体の沼の中に消える指。
 ぐにゅぐにゅと蠢く肉壁に押し潰されそうだと3本の関節をまばらに駆使し、ほじるように動かすと上から艶やかないい声が聞こえた。
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