Lover

□「おい、そこどけ」
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やっと今日で今週の仕事は終わりで、なんだかよくわからない達成感で思わず口元が緩んだ

「じゃあお疲れ様です、また来週からもお願いします」

何かしこまっちゃってなんて笑いながら じゃあまたね と手をふってくれた

さてと、打っちゃおうか。

少し前までは楽しくて仕方なく依存しているほどだったけど今はそうでもない。ただお遊び程度に数千円打って出なければ止めてしまう。久しぶりのスロットにわくわくしながら早足で近くのホールに足を運んだ

ぷらぷらと見回り いけるかなー なんておもいながらイスに座り3000円入れたところから止まらなくなり、今日は来て良かった なんて思いながらコーヒー片手に打っていると予想外な人物がそこには現れて

「おい、そこどけ」

耳元で聞こえた声に あいつしかいない と確信した

「え」

「そこ俺がおさえてたとこなんやけど?ぶっとばすで」

大きめの声でそういう意地悪男、いやいやいや絶対嘘でしょ。流石に冗談きついっすわ と思い遠回しに伝えようとしたもののなんと言えばいいのか

「いや、あのその‥全然誰かが台をおさえている雰囲気はなかったんですけど‥」

「は?ここはきさまの店か?死ね」

え!逆ギレですか!ていうかじゃああなたの店なんですか!うわーびっくり

気まずそうな私の気も知らず空いていた隣の席に座り始め…そして運悪くたいして出ていなくて、とんでもないオーラが出ている。まさに恐怖

「あ、あの‥かわりましょうか」

「あ?いい」

あーやばいその目にわたし殺されちゃうんじゃないか。この人は目でも人を殺っちゃえるんじゃないのか

「じゃ、じゃあこれ一箱あげますよ」

満タンのドル箱を1つ渡すと何も言わず未開封のコーヒーを渡してきた。これはお礼というやつか

「ありがとうございます‥」

なんで私がこんなこといってんだ。それから数分後隣の怖いお兄さんも出だしたのか少しへったドル箱を返してきた

結局閉店まで居て、結構な枚数がでたし隣のお兄さんも二箱積んでいた

換金して帰ろうとするとちょうどお兄さんも換金するとこらしく ちょっと待て と声をかけられた

「ん、返す」

差し出してきたのは今換金したお金でこんなの受け取れないと首を横にふると機嫌悪そうな顔で私を見る

「別に暇潰しただけやし、ほらはよ貰え」

「いや、ほんとにいいですいりません」

頑固に拒否しているとこいつはもう受け取らないと思ったのか舌打ちをした。こ、怖い‥怖い怖い

「じゃあ失礼します」

「おいばか駐車場こっちやけど」

「私車じゃないんで‥」

「はあ?ほな送ってやるから来い」

近くなんで大丈夫ですなんていう私の話もきかず強引に腕を引っ張り駐車場まで連れて行かれた

「はよ乗れ」

黒塗りの高級車という普通のひとが乗るような車ではない。焦る私をみてか 警戒すんな と言いながら助手席のドアを開けてくれて黙って乗り込んだ

「あそこよく行くんですか‥?」

「たまに。店長変わって全然出してへんねん、潰してやりたいわ」

「はあ‥」

会話も終わり道を案内して家につきありがとうございましたと車をでた

「お前暗いとこ一人で歩いたら危ないねんぞ」

そういい残し去っていった。一体何者なんですか…。

謎だらけの錦戸と言う怖いお兄さんのせいで神経を使いすぎ今日は凄い疲れた

あそこのホールにいくのはやめようそう思ったある日の夜


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