それは、恋

□1つの優しさ、1つの涙
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「ごちそうさまでした」

頭をさげるとええよええよと笑って車持ってくるからここで待っててと言われた

こんなに沢山横山先輩と話した事なんか無かったなぁ。今日ご飯を一緒に食べたのだって初めてだったし‥
意外と話しやすかったしあたしちょっとした話も笑いながら聞いてくれた

すばると同じ関西弁だけど中身や喋ること全てすばるとは違った

面白いのは一緒だったけど

そんな事を考えていると横山先輩の車のライトに照らされ目を細めながらぼーっと車のほうを見ていると窓を開けて少し大きな声ではやく乗りなさい!とクラクションを鳴らされた

「家どこ?ちゃんと案内してな」

ここから案内なんてわかんないな。こんなお店だって知らなかったし

「あ、すばるの家わかりますか?」

「あっこらへんなん?わかったわかったー」

一応シートベルトしてな?付き足すようにそういわれわかってますと言いうと何や反抗的やんと笑う横山先輩を横目にカチャっと音をたてた

特に話すことも無く私の耳に入ってくるのはよくわからない洋楽。横山先輩はその曲を口ずさんでいる

「ほーれこっからは案内して」

「ここでいいですよ」

「えー危ない危ない!こんな遅い時間に真っ暗やし」

「本当に大丈夫です!すぐそこなんで」

ありがとうございましたと半ば強引にバックを持って外に出た。ドアをしめる途中に気をつけるんやでと言われ首を縦にふった

すばるの家の前でおろしてもらったあたしは自然とすばるの家に目を向けてしまう

あ、リビングの電気ついてるんだ今日はどんな女の子といるのかな?さっきの子かな?何あたし、ちょー気持ち悪いじゃん。ため息をついたあと早く家に帰ろうと自分の家の方を向いた

「あらららら?みかちゃんやないの?」

街灯に照らされたすばる今日も女の子つき

「何してるんですかー?」

「すばるこそ」

「コンドーム買いに行ってたに決まってるやないか!わっはっはっはっ」

いや、そんなの知らねーよ。あっそーですかと適当に返事をして歩き出そうとすると、お前は何してんねんと聞いてきた

「帰る途中なの」

「え?送ってもらえへんかったん?」

不思議そうに私を見るすばる
いや違うのという私の言葉を遮る様にあの白豚ありえへんなと少し怒った口調で言った

「よっしゃすばちゃんが送ったるわ」

「何言ってんの良いよ別に」

あからさま嫌そうな顔をする女の子の顔を見ていや遠慮しとくと言うしかなかった

「危ないやんけ」

「いいから早く帰りなよ」

送る送ると言う言葉が後ろから聞こえてきたけど無視して早歩きで帰った

そういえば帰りに誘ってた女の子と違う子じゃん。そんなすばるにため息しか出なかった男ってみんなこんなもんなのかな

好きになる人間違えちゃっただけか

家について携帯を開くと画面にはメール受信中どうせまた迷惑メールだろう最近多いいんだよね

メールを開くと予想外の名前にびっくりした

(家ついた?心配やからついたら返事返してな)

もう何でそんなメールしてくるの?気にしなくていいじゃん。あたしこんなメールでさえ勘違いしちゃうんだよ?携帯を閉じたと同時に静かに涙が溢れた

今のあなたにはどれだけ優しくされてもあたしはただただ苦しいだけ








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